福島県南会津町で活動する小学生から高校生約40人の現代版組踊集団「チーム息吹」が24日、沖縄県嘉手納町で上演し、「福島の元気」をアピールする。披露するのは江戸時代に南会津で起きた百姓一揆の物語「息吹~南山義民喜四郎伝」。現代版組踊に取り組む沖縄の「チーム鬼鷲(うにわし)」や鹿児島、埼玉のメンバーも出演し、総勢70人の若者が地域を超えて組踊で絆をつなぐ。7日夜、南風原町で福島と沖縄の合同稽古が行われた。(社会部・松田麗香)

稽古に励む「チーム息吹」の福田聖莉夏さん(左)ら現代版組踊の出演者=7日、南風原町・県立沖縄盲学校

 チーム息吹は南会津町の観光業、下村一裕さん(46)ら有志が町の活性化を目指して2009年に立ち上げ。10年12月の初演は人口約2万人の同町で千人以上が鑑賞するなど、好調なスタートを切った。その後、「肝高の阿麻和利(きむたかのあまわり)」1期生で同町に住む知念みなみさん(32)の指導で現代版組踊に取り組むさなか、東日本大震災と福島第1原発事故が発生した。

 原発から100キロ以上離れた同町は直接的な被害がなかったものの、稽古場の廃校が物資の供給場所になって練習拠点をなくし、メンバーの卒業公演も中止に。チーム内では避難生活を余儀なくされている被災者の心情を考え、「活動をやめた方がいいのではないか」との声も上がった。

 それでも「被災者に元気を届けることができるかもしれない」と、避難施設などでのチャリティー公演を巡行。その際に演じたのが、年貢に苦しむ農民が幕府に立ち向かった歴史を基にした物語「息吹~南山義民喜四郎伝」だった。震災後、全国に活動の場を広げ、12年には嘉手納町で沖縄初公演も果たした。

 24日の公演は前回の沖縄公演に出演し、今月でチームを卒業する高校3年生らの希望で実現する。本番に向けて沖縄入りしたチーム息吹の福田聖莉夏さん(18)ら3人が7日、チーム鬼鷲との合同稽古に臨み、汗を流した。

 福田さんは今月高校を卒業し、息吹での活動も終える。「震災後の沖縄公演でお客さんの温かさに励まされた。前回より成長した姿をたくさんの人に見せ、『福島は元気だよ』と伝えたい」と意気込んだ。

 24日はかでな文化センターで、午後1時と同6時から2回公演する。入場料は全席指定、前売り券は大人3千円、高校生以下2千円(当日は各500円増)。問い合わせは実行委員会沖縄事務局。電話098(996)4108。