十数年前、中部支社に勤務していたころ、米兵による事件・事故が起こるたびに市町村議会の抗議決議が相次いだ。まるでいたちごっこのような状況に、北谷町議会は初めて海兵隊撤退を要求した

▼抗議決議では綱紀粛正や再発防止を何度求めても響かない状態を「むなしさを覚える」と表現。解決に結びつかない憤りやもどかしさをぶつけた

▼当時、嘉手納町長だった宮城篤実さんの言葉が忘れられない。「言い続けることに意味がある」。訴えをやめれば認めたことになる。基地あるがゆえの弊害や理不尽さに声を上げ続ける覚悟がにじみ出た言葉だった

▼辺野古新基地建設の阻止を目指すオール沖縄会議が発足した。新基地建設をめぐる国と県の対立は代執行訴訟という司法の場に移ったが、「あらゆる機会」に新たな基地はいらないというメッセージを国内外に発信し続ける役割は大きい

▼強行採決の末、成立した安全保障関連法に反対する抗議集会やデモもいまだに全国で開かれている。専門家やタレント、子を持つ親、学生など幅広い層が異議を唱え続ける構図も辺野古の問題と共通する

▼2015年の世相を表す「今年の漢字」は「安」に決まった。安保法をめぐる審議で、国の「平安」について関心が集まった結果だ。生活を脅かす不安に訴え続ける意義を再認識したい。(赤嶺由紀子)