どこを向いて、誰のためにその職に就いているのか。唖然(あぜん)とする。島尻安伊子沖縄担当相が、辺野古への新基地建設をめぐり翁長雄志知事が政府と対立していることは沖縄振興予算に影響する可能性を示唆した

▼これまで政府が重ねて否定してきた、基地と振興予算が関連するという「リンク論」をあっさりと認めた

▼本来、予算は必要な額を積み上げたもの。それを確保するのが担当相の大事な役割だろう。大仕事の結果が出る前に、知事に責任をなすりつけているようで、あきれる

▼昨年2月には辺野古新基地建設に反対する市民運動に対し「違法な妨害活動を阻止するため、県警や海上保安庁が先んじて対策をとるべき」と発言。ことし4月には反対運動を「責任のない市民運動」「政治として対峙(たいじ)する」などと強圧的な姿勢を示し物議を醸した。人権や地方自治の概念が、まるで頭にないようで情けない

▼今、辺野古の海で海上保安官に、米軍キャンプ・シュワブゲート前では機動隊に、市民が暴力的に排除され、連日けがをしている。発言に沿うように、政府は強硬になっている

▼近ごろ「子どもの貧困」対策に熱心だ。しかし貧困の根っこが何かを考えてもらいたい。子どものために必要な予算が基地を押しつける脅しの道具にされては、子どもたちにしわ寄せがいくだけだ。(安里真己)