緑の生い茂った庭園を抜け、ドアを開けると清潔感あふれる「和」の空間が広がる。シンプルな「八重山そば」(大500円、小450円)は素朴な味わいながら、ほのかな後味を残すコクとうま味が魅力。窓から望む風景もその味わいを上品に引き立て、リピーターをとりこにする。

上品で素朴な味わいが魅力の「八重山そば定食」(650円)

店内は清潔感あふれ、窓から望む緑にも癒やされる=石垣市登野城

お食事処長一楼の場所

上品で素朴な味わいが魅力の「八重山そば定食」(650円) 店内は清潔感あふれ、窓から望む緑にも癒やされる=石垣市登野城 お食事処長一楼の場所

 「親が作ってくれたそばがベース。自分の懐かしい味なんですよ」と店主の新城長一さん(59)。高校卒業後、大阪のすし屋や日本料理店で修業を重ねた。34歳で島に戻り、ホテル日航八重山(現アートホテル石垣島)で料理長となり、52歳で独立した。

 一緒に店を切り盛りする妻さとみさん(57)が親から継いだ食堂「フルーツハウス」を改装し2010年3月にオープン。長一さんは和食が専門の一方、島のそば屋を「全部回った」という自他共に認める“そばじょーぐー”だ。

 こだわりのだしは仕込みと火加減、そして“魔法の言葉”が秘訣(ひけつ)。ベースの豚骨は臭みを取るためにさっと湯がいた後、濁りの元になる骨の髄液をきれいに取り除き、ネギやショウガ、タマネギなどの野菜と一緒にじっくり煮込む。「濁らない程度の火加減がポイント。あくを小まめに取り、おいしくなーれーってね」

 そばだしでたくジューシーが付く「八重山そば定食」(650円)や限定10食の「長一楼定食」(1250円)も人気。ふわふわ食感の「魚フライ定食」(850円)はイラブチャーかアーガイだけを使うこだわりだ。

 さとみさんは「常連さんが多く、きれいにスープを飲んで『おいしい』って言ってくれるのがうれしい」。長一さんは「毎日が勉強。おいしいものを出したいからね」とほほ笑んだ。(八重山支局・新垣玲央)

 【お店データ】石垣市登野城1396。営業は午前11時半~午後3時(同2時半ラストオーダー)。火曜定休。カウンター6席含め36席。駐車場有り。電話0980(83)0992。