日に日にあちこちさびてゆく身体をもてあまし気味の年齢には、何とも身につまされる感慨深い映画だ。

「ロング,ロングバケーション」の一場面

 アルツハイマーのジョンと末期がんのエラは結婚50年の熟年夫婦。子どもたちが入院や施設への入居を画策する中、2人は自分たちと同じ、ガタの来たキャンピングカーでジョンの敬愛するヘミングウェーの家を目指し南へ走る。ジョンの意識の混濁は、エラを置いてきぼりにしたり、自分の若き日の浮気を露呈させたり、と予測不能な様相を呈し、厄介だが笑ってしまう。

 人生の過ごし方も終わり方も人それぞれ。

 泣いて、笑って、怒って、そして最期に笑って、まあまあな人生だったと終われたらどんなにか良いだろう。名優2人の演技に泣き笑いしながら、わが身の残り時間を数えている。(スターシアターズ・榮慶子)

 ◇シネマパレットで10日から上映予定