◆第2部起業を育む 琉球インタラクティブ

 「不可能なんて、ありえない。常に最高を追い求める。一騎当千であれ」

社内に掲げる「行動規範」をアピールする琉球インタラクティブの臼井隆秀社長=宜野湾市大山

 宜野湾市大山の住宅街にあるインターネットサービスのベンチャー企業の琉球インタラクティブ。オフィスに入ると、白塗りの壁に書かれた「行動規範」が目に飛び込む。

 「当社は日本を代表するインターネット企業を目指しています」。同社の臼井隆秀社長(39)は淡々と語った。

 北海道生まれ。東京の大学を卒業後、IT大手のサイバーエージェントに入社。「人生一度きり」と30歳を機に起業を決意し、「今後最も成長する地域になる」と見込んで沖縄を創業の場所に選んだ。

 現在、インターネットサービスから求職サイト、病気のリスクを判別するトイレ開発など幅広く手掛け、沖縄で構築した事業モデルでのアジア展開にも意欲を見せる。

 この間、強く認識したのは沖縄が持つ「吸引力」。リゾートとして東京からIT大手の役員クラスが頻繁に訪れ、ついでに「最先端の情報」をもたらしてくれる。

 また今後、成長が期待される東南アジアの優秀な人材も、風土が似た沖縄に魅力を感じているといい、臼井社長は「東南アジアの方々が日本の中で一番親近感を持って働ける地」と断言。こうした環境に目を付け、社員の多国籍化も進めている。

 一方、臼井社長は革新的な発想で市場開拓を目指す起業「スタートアップ」の支援にも取り組んでいる。近年、同社も含め、県内でスタートアップの支援体制が広がる。2016年には沖縄市に「スタートアップカフェコザ」がオープン。起業を夢見るさまざまな世代が集まり、機運を盛り上げている。

 週末を利用した起業体験イベントとして12年から開かれている「スタートアップ・ウイークエンド沖縄」の初回に参加し、以降運営に携わる兼村光さん(49)は「当初はスポンサーを募るために企業を訪問しても『スタートアップって何?』という状況だったが、今や共通言語化している」と感慨深げに語る。

 一方で、「支える場はたくさんできたが、実際に成功を収めている起業家は少ない」と指摘。起業家やそのビジネスプランに応じた適切なサポートが必要とし、「起業家を育成するメンター(助言者)の育成」を課題に挙げた。

 臼井社長も「兄と弟のような適度な距離感で必要な支援をしていくのが望ましい」と言う。その先に急成長を遂げ、世界を変えるイノベーションを起こす起業家たちの姿を想像する。

 臼井社長は「象徴的な企業ができてこそ、沖縄が外から認めてもらえる。当社もそうなれるよう頑張りたい」と意欲を語った。(政経部・島袋晋作)