首里城公園は2000年から復元製作を行っている琉球王府の正月祭祀(さいし)用道具16点を、18日から初公開する。道具は正月午後に国王が三司官や親方らと酒を神にささげて酌み交わす儀礼「三御飾(みつおかざり)御規式(おきしき)」で使われていたもの。復元作業は現在も続いているが、目玉の金杯や銀杯、それらを置く朱漆沈金の「足付盆」など半数以上が完成したため、来年の正月を前に一般公開を決めた。17日、報道陣に先行公開された。

朱漆沈金の「足付盆」の中央に「金杯」などがあり、周囲を銀製の「八角脚杯」などが取り囲む=首里城公園・黄金御殿特別展示室

朱漆塗りの「御印箱」と真ちゅう製の板バネ式の錠前=首里城公園・黄金御殿特別展示室

朱漆沈金の「足付盆」の中央に「金杯」などがあり、周囲を銀製の「八角脚杯」などが取り囲む=首里城公園・黄金御殿特別展示室 朱漆塗りの「御印箱」と真ちゅう製の板バネ式の錠前=首里城公園・黄金御殿特別展示室

 復元は大正時代、沖縄女子師範と県立一高女の教諭として来県した故鎌倉芳太郎が撮影した写真などの分析や科学調査などを基に実施している。漆器は尚家の類似品などをエックス線撮影。生地はテープ状の木材を巻き上げて制作する巻胎(けんたい)技法と特定した。だが現代の沖縄に技術が継承されていないため、よく似た「曲げ輪技法」がある秋田県でも調査を行った。

 加飾(かしょく)も現代と異なっていた。18~19世紀は沈金の線が現代と比べて抑揚がなく均一に彫っているとして、文様を彫る道具を研究。再現にあたっては若手の漆職人も育成したという。

 国王の印鑑を収める「御印箱(ごいんばこ)」は当時としては珍しい錠前付きで真ちゅう製の板バネ式。米などを入れる二段重ねの食籠「御籠食(うくふぁん)」や螺鈿(らでん)の「四方盆(よほうぼん)」など鮮やかな道具類が陳列されている。当時の正月午後の祭祀儀礼で、道具は国王が正殿1階で座る玉座の「御差床(うさすか)」に配置されていた。沖縄美ら島財団は全ての復元が終われば、「御差床」での展示も検討したい考え。

 同財団の上江洲安亨さんは「途絶えていた技術が研究、再現された。沖縄の伝統工芸の振興にもつながればうれしい」と話している。公開は黄金御殿特別展示室(有料区域)で来年の3月2日まで。