沖縄の米軍基地の過重負担を軽減し、全国で安保の負担を分かち合うような具体策を示してほしい。

 全国知事会(会長・山田啓二京都府知事)は2016年度にも沖縄の負担軽減策を協議する場を知事会内に設置することを決めた。

 全国47都道府県の知事で構成する地方自治の要の団体が沖縄の訴えに共感を示し対策に乗り出したことは心強い。

 会議で浦崎唯昭副知事が「沖縄の基地負担を軽減する場の設定」を提案した。「知事会全体で声を上げていけば、政府、米国政府に対する力にもなる」。賛同した上田清司埼玉県知事の言葉が意義を端的に言い当てている。

 全国知事会としてまとまることができれば、基地問題で国対沖縄の構図が変わる。

 新しく発足する組織では次の3点に重点的に取り組むことを提起したい。

 (1)安保の負担をどう応分に分かち合うか具体策を提示する(2)憲法・国内法を制約している日米地位協定の問題点をあらためて洗い出し、改定案を出す(3)沖縄の負担軽減策を真剣に考え解決策を示す-ことである。

 翁長雄志知事は今年1月、就任後初の全国知事会で「国土の0・6%に74%の米軍専用施設があることは理不尽だ」と発言した。沖縄だけにのみ負担を強いる安保は正常ではないとの指摘である。

 外交・安保は国の専権事項といわれるが、基地は住民生活に密接に関わる。知事会は国の専権事項だからと思考停止せず向き合ってほしい。

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 日米地位協定の抜本的な見直しについて全国知事会は01年以来、「国の施策と予算に関する提案・要望」の中に盛り込んでいる。

 住宅地上空での飛行制限や夜間離着陸訓練の中止などを要求。基地を抱える自治体にとって環境問題は周辺住民の生命や健康に重大な影響を与えかねず、環境法令は国内法が順守されるよう見直すことなどを強調している。

 県も環境保全で国内法を適用することや日本側から被疑者の起訴前の拘禁の移転の要請がある場合はこれに応じることなど11項目にわたる地位協定見直し案を持っており、全国知事会の改定案に格上げできれば重みも増す。

 山田会長は国と県の間で裁判になっている辺野古新基地建設問題を取り上げることは「難しい」との考えを示している。だが、新基地は軍港機能や弾薬庫を備え、周辺演習場と連結して巨大な軍事拠点となる。沖縄側から見ると、負担軽減に逆行することは明らかだ。生物多様性に富んだ豊かな海を破壊することにつながるとの認識を共有することは可能なはずだ。

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 新組織は沖縄から意見を聞いた上で、他府県に協力を依頼するなど政府と話し合うイメージを描いているようだ。

 基地問題は「総論賛成」「各論反対」が相場だ。沖縄の基地問題を全国化する機会であり、地方自治や民主主義のあり方を問う場ともなる。具体的な話になるとすんなりいくとは限らないだろうが、突っ込んだ議論で具体策を提示してもらいたい。