11日で東日本大震災から7年がたつ。市町村が沖縄県を通して復興庁へ報告している避難者数に集計漏れの可能性があることが10日、本紙の調べで分かった。公営住宅のみの避難者数を報告するなど市町村によって集計にばらつきがあった。国は被災証明の有無などを問わない「自主避難者」も含めた報告を求めているが、住民票の届け出などがなければ実数把握は難しい。国は避難者数の減少を根拠に昨年3月、住宅支援を打ち切っており、専門家は「間違ったデータであり、根拠が崩れる」と指摘している。(社会部・川野百合子)

復興庁がまとめた県内の避難者数の推移

国の支援終了、専門家が疑義

 沖縄タイムスが県内41市町村に実施したアンケートで明らかになった。アンケートでは各市町村への避難者数、その把握方法、独自の支援策などを聞いた。  復興庁が2月27日に発表した県内の避難者数は364人(2月13日時点)。同庁は都道府県に避難者数の把握を求め、各市町村の報告を集計・公表している。

 同庁が定義する「避難者」とは「東日本大震災をきっかけに住居の移転を行い、その後、前の住居に戻る意思を有するもの」。住民票を移転していない、被災県以外からの「自主避難者」も含まれる。

 ただ、県内の市町村では定義を知らない担当者も多く、公営住宅に住む世帯人数だけを回答した那覇市、被災証明書を要件にしている南風原町や金武町など、対応にばらつきがあった。

 一方で、毎月報告が求められることに、市町村からは「住民票や届け出がなければ、実数の把握はほぼ不可能」との声も上がる。

 国は災害救助法に基づき、2011年から避難者に対し避難先での家賃支援を行ってきたが、復興庁の統計で避難者数が減少したことを根拠に、昨年3月で支援を終了した。

 原発事故被災者支援弁護団に加わる小口幸人弁護士は「原発事故は被害や影響が見えにくく、避難先も広域に及ぶ。定義がそろわないデータには意味がなく、支援打ち切りの根拠にならない」と指摘する。「今からでも実態に沿った避難者の定義を考え、支援方針を立て直すべきだ」と話した。