那覇市港町の泊漁港で17日午後に発生した火災は鎮火まで約10時間を要し、18日午前1時すぎに鎮火した。市消防によると、消火に時間がかかったのは船の素材が水を浸透しにくかったのが理由。一方、全焼した漁船2隻は沖縄県内各港で長年問題とされている放置廃船だ。沖縄県は7月に初の撤去目標値を定めた5カ年計画をスタートさせたばかり。県漁港漁場課は「人命に関わる深刻な事態。計画を進め早急に廃船を整理したい」としている。

漁船2隻が全焼した火災現場

 同課によると県内88の漁港うち、確認された廃船は632隻。泊漁港は県管理で、港内の廃船は計19隻。廃船の管理は所有者が管理するが、放置されているのが現状だ。県によると、港内には25年にわたり放置されている船もある。

 全焼した廃船2隻は県が2007年度に陸揚げ。置き場の用途はもともと駐車場だったが、台風対策や沈没の恐れがある放置廃船を陸揚げした際に同所を使用することになったという。

 県の廃船撤去計画は、泊漁港を含む県管理の28漁港にある349隻のうち146隻を処分目標値としている。また漁港内に船舶の放置禁止区域を設定する条例策定の準備も進めている。

 廃船の撤去は原則、所有者が行う。しかし数百万円に上る処分費用を所有者が捻出できなかったり、死亡するケースもあり、撤去が進んでいないのが現状だ。一方で廃船は所有者の財産でもあり、県は「廃船でも簡単には触れられず、ジレンマもある」と対応の難しさも説明する。

 火災現場近くには重油122キロリットルが入ったタンクもあった。近くに事務所がある県近海鮪漁協の我如古清組合長は「燃料を積んだ船など港には引火物は多い。類似事故が2、3度起こる恐れがある」と指摘する。

 市消防などによると、火災発生時、荷役台が燃え出しそばの廃船に燃え移ったとみられる。周辺は廃材など可燃物はあったが火の気は確認されておらず、那覇署が慎重に出火原因を調べている。