沖縄の新聞がどんなに書いても、全国紙が騒がないと政府は動かない-。忸怩(じくじ)たる思いで、誰とはなしにこぼすことがある

 ▼地縁団体である名護市の辺野古と豊原の2区に政府が直接支出する補助金に関する報道もそうだ。沖縄の2紙は度々1面で扱ってきたが、19日付の朝毎読はせいぜい中面で2段見出し、載せてない新聞もあった

 ▼国家予算のたかが2300万円という額の多寡の問題ではない。この補助金は国会での議論も経ず、要綱で支出を決めた。通常なら厳しく査定され、減額されるのがオチだが、今週にも交付されるスピード決裁だ

 ▼そもそも補助金は2カ月前に突然、一参院議員の佐藤正久氏が講演でぶち上げ、菅義偉官房長官は反対運動の騒音に対する迷惑料と言った。政府は合理的な支出根拠を示せてないどころか、識者は違法の可能性さえあると指摘している。対象の久志区は手を挙げてさえいない

 ▼異例ずくめの直接補助金のやり方が大胆なのは、全国紙の扱いを見通していたからと思える。国内世論の批判も広がらなかった

 ▼税金を納めるのは日本全国の人々だ。その支出の異常なあり方には目を向けず、基地関連の交付金・補助金を受け取る沖縄だけを過剰に批判するのはおやめいただきたい。沖縄県紙の遠吠(とおぼ)えと言われても、これだけは黙っておれない。(与那嶺一枝)