【宜野湾】来年1月17日告示、同24日投開票の沖縄県宜野湾市長選まで約1カ月。米軍普天間飛行場問題の行方を左右するとして全国的な注目が集まる一方、福祉や財政など地域の課題も問われる。現職で再選を目指す佐喜真淳氏(51)と、新人の元県幹部職員、志村恵一郎氏(63)の立候補予定2氏に所信を聞いた。(聞き手=中部報道部・前田高敬)

佐喜真淳氏(右) 志村恵一郎氏(左)

■佐喜真淳氏 発展実感できる市政に

 -自身の約4年間の市政運営をどう評価するか。

 「小学校給食費の半額助成のほか、医療費の完全無料化は来年4月から小学6年まで拡充する。また高齢者には来年度、伊利原団地内に老人福祉センターがオープンする。市役所の窓口業務を民間委託するなど行財政改革の中で、市民サービスは幅広く充実されたのではないかと思う」

 -米軍普天間飛行場問題についての考えは。

 「市民の生命財産を預かる市長としてやるべきは危険性の除去。基地負担軽減を市民がしっかり実感でき、一日も早い返還を優先的にやらないといけない」

 「感情論で言えば辺野古移設、県内移設はみんな反対だ。翁長雄志知事のようにあらゆる手段を使って(移設を)阻止するのが優先か、それとも一日も早い返還と危険性の除去を優先するのかだと思う」

 -初当選時は県内移設反対の立場だった。

 「いわゆる固定化が絶対にあってはならないという信念を貫きたい」

 -ディズニー誘致の話が出てきた。

 「経済波及効果、雇用やブランド力、市自体が明るくなる効果を目指すときに、ディズニーが沖縄に来ることは市のみならず県にとっても非常に影響力のあるものだ。(立地や規模は)市場調査時にわれわれとのやりとりも出てくるはずでケース・バイ・ケースでやろうと思うが、私が温めてきた構想の一つだから絶対成功させたい」

 -待機児童解消がなかなか進まない。

 「次年度はいくつか認可園を増やす。小規模施設や認可園の増園・分園を含めやっていきたい。(施設増により)この3年間で500人近く待機児童を減らせた計算だ。引き続き鋭意努力していきたい」

 -有権者に特に訴えていきたいことは。

 「3月に返還された西普天間住宅地区の街づくりもあるし、先日返還合意された市道宜野湾11号も前に進んでいく。これらは当然政府との交渉が必要で誰にでもできるわけではない。しっかりと市民が実感できる街づくりを進めていく」

 さきま・あつし 1964年生まれ、宜野湾市真志喜出身。千葉商科大卒。市議2期5年、県議2期5年を経て2012年の市長選で初当選した。

■志村恵一郎氏 新基地ノーで展望開く

 -現市政の評価は。

 「自衛隊に18~26歳の市民約9900人の個人情報を無断で提供した。待機児童数は全国11位の多さ。普天間問題では4年前の市長選で県外移設を公約にし、県内移設断念を要求する建白書にも署名したが現在は県内移設を容認するかのような行動だ。いずれも大変問題だと思っている」

 -米軍普天間飛行場問題にどう対応するか。

 「市民の願いは普天間の危険性除去と運用停止。19年間放置され政府頼みでは解決しない。翁長知事と全市民が一体となり、辺野古新基地建設にノーと宜野湾市と名護市、沖縄県の3者が反対し断念させることで新しい解決の道が開けてくるのではないか」

 -反対だけでは固定化するとの懸念もある。

 「危険性除去の責任は日米両政府にある。今後10年もかかる県内移設は市民にとり危険性の放置だ。市民との基地対策協議会を再開させ、返還アクションプログラムを策定し5年以内の運用停止に向けて翁長知事と市政がともに取り組む」

 -子育て支援充実や施設整備などを訴えるが、財源はどうするのか。

 「行財政改革を進める。現市政で職員数は逆に増えた。人員の適正配置と効率的な行政運営を行う。それから企業誘致。西海岸地区の区画整理事業を、田芋畑は市の特産だから保全しつつ企業誘致を進め市税など自主財源を確保する。一括交付金をもっと産業支援に回すことも大事だ」

 -ディズニー誘致の件はどう考えるか。

 「急に地主の意向も聞かずに出てきている。いかにも選挙の人気取りというのが大方の意見だろう。インダストリアル・コリドー地区は返還がまだ決まっていないので、地権者の同意も得つつ隣接する北谷町と一緒に跡利用を検討する」

 -宜野湾をどんな街にしたいか。

 「鉄軌道を含む新公共交通システムを誘致する。普天間の跡地にはランドマークタワーを建設し中部観光の中心としての役割も果たす。那覇に近いという有利性を生かしながら街づくりを進めていきたい」

 しむら・けいいちろう 1952年生まれ、宜野湾市普天間出身。日本大卒。75年県庁に入庁、土木建築部建築都市統括監などを経て2013年退職。