【うるま】認知症で一人で出歩き、行方不明になった人を捜す訓練が12日、市昆布で行われた。市では初の試みで、市地域包括支援センターが主体となり、うるま署や自治会、事業所などが協力した。

行方不明者の特徴を教えてもらった後で、捜索に出掛けた子どもたち=12日、うるま市昆布公民館

 同市は行方不明になる恐れがある高齢者の情報を事前に登録した上で、警察署や介護事業所と連携し、行方が分からなくなったときの早期発見につなげる「認知症高齢者等SOSネットワーク」を10月に発足させた。この日はネットワークを活用し「通報・連絡・捜索・発見」の情報の流れや一般の人からの声掛けなどを訓練した。

 訓練は、家族がうるま署に通報、同時に不明者役と別の2人の計3人が昆布地区内を歩き回り始めた。警察署員が家族から当日の服装・履物などを聞き取り、地域包括支援センターに捜索を依頼。同センターから捜索協力機関へメール、ファクスで情報を送信した。

 昆布区には区内放送で不明者情報が流れた後、区民から発見情報が次々と公民館に寄せられた。

 1時間歩き続けた不明者役には、24人が声を掛けていた。そのうち18人は区内放送で気付いたという。

 自宅前を掃除していた大城マサ子さん(79)は目の前を、放送で聞いた「特徴」の人が通り「この人だ、と思った。でも、どうしていいか分からず怖かった」と話す。それでも思い切って声を掛けた。「いつか自分もそうなるかもしれない。いい経験をさせてもらった」

 真栄田凛奈さん(川崎小5年)は放送を聞き、公民館で写真など見せてもらってから友達と一緒に捜索。服装で不明者だと確信し「どこに行くんですか」と声を掛けた。「本当に行方不明になった人がいたら捜せると思う」と自信になったようだ。

 市地域包括支援センターの高良礼子さんは「初回なのに声掛けがよくできていた。放送の流し方など手順がしっかりしていないところもあった」と話した。

 同センターでは、他地域での訓練や登録する高齢者を増やしたい考え。問い合わせは同センター、電話098(973)5112。