【東京で勝浦大輔】「一戦一戦、強くなった」-。東京で22日に開かれたレスリング全日本選手権で優勝した屋比久翔平選手(20)=日体大3年=の父保さん(53)=北部農高教諭=は、小学生のころから二人三脚で五輪を目指してきた息子の勇姿に感慨深げ。親子2代の全日本制覇を見守り、目に涙をためた。

初優勝を果たした屋比久翔平選手(右)に「よくやったな」と声を掛ける父保さん=22日、代々木競技場第二体育館(勝浦大輔撮影)

 娘のすずさん(18)=浦添工高3年=と観客席で応援した保さん。「落ち着け」「ここをしっかり」と大きな声で鼓舞し続けた。保さんが初めて全日本のタイトルを取ったのは26歳のとき。それよりずっと若い20歳の息子の栄冠に、「もう越されちゃったかな」と笑う。

 全日本を2度制しながら、バルセロナ五輪の国内最終選考会で足を痛め、切符を手にできなかった。

 リオ五輪出場へ望みをつないだ息子に「あと2回チャンスがあるが、来年3月のアジア予選で一発で決めるつもりで頑張ってほしい。そのためにもけがをせず、もっとパワーをつけて」と夢を託す。

 競技者でもあるすずさんは、選手として一番尊敬しているという兄の快挙に「たくさん練習している姿を見てきた。自分でも、やればできると思った。頑張らないと」と刺激を受けた様子。

 県レスリング協会の津森義弘会長は保さんの南部農林高時代の恩師で、翔平選手を孫のように見守ってきた。「3歳のとき『五輪に出ようね』と言うと『分かった』と答えていた。活躍は県内の後輩や子どもたちの励みになる」と喜んだ。