環境コンサルタントの南西環境研究所(西原町、田中順一社長)と土木建設資材製造販売のウエスコットウエスト(東京、塩田淳二社長)は、南太平洋の島国サモアで土壌浸食対策や濁水浄化に取り組んでいる。沖縄の赤土流出対策のために開発した天然ヤシ繊維の濁水ろ過フィルターを来年度に設置する予定で、両社は「沖縄発の技術でサモアの環境保全に貢献したい」と意気込んでいる。(政経部・下里潤)

河川の濁水対策として設置されたバイオログフィルター=三重県・船津川(南西環境研究所提供)

バイオログフィルターのサンプルを手に、サモアの環境保全を目指す(左から)南西環境研究所の大城政人取締役、田中順一社長、ウエスコットウエストの塩田淳二社長=西原町・南西環境研究所

サモアの位置

河川の濁水対策として設置されたバイオログフィルター=三重県・船津川(南西環境研究所提供) バイオログフィルターのサンプルを手に、サモアの環境保全を目指す(左から)南西環境研究所の大城政人取締役、田中順一社長、ウエスコットウエストの塩田淳二社長=西原町・南西環境研究所 サモアの位置

那覇空港第2滑走路工事でも活用

 ウエスコット社が開発したろ過フィルターは「バイオログフィルター」と呼ばれ、100%天然ヤシ繊維で作られる。直径30センチ、長さ2メートル、重さ15キロのろ過ユニットを連結させ、河川や建築現場の濁水処理に使用する。河岸の斜面に設置すれば、護岸の浸食防止材、植生の回復を促す緑化材としても活用できる。県内外で15年以上の施工実績があり、那覇空港の第2滑走路増設工事でも活用されている。

 一方、サモアは近年、森林伐採や開発による土壌浸食やサイクロン被害による土砂災害の発生リスクが高まっており、対策が急務となっている。両社は国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援事業に採択され、2017年度にサモアの濁水処理対策に向けた調査を開始。18年度は2河川でバイオログフィルター約2千本を設置し、その効果を検証する。

 同研究所の大城政人取締役は「沖縄と同じような環境のサモアで有用性が確かめられれば、太平洋の他の島国でも応用できる。沖縄発の技術を世界に広めていきたい」と意欲。田中社長も「新たなビジネスの可能性に挑戦していきたい」と話した。

 塩田社長は「将来的にサモアでバイオログフィルターの工場を建設し、現地の人が運営できるよう支援したい。ヤシはバイオマス燃料や寝具、農業用品などの原料にもなるので、サモアの産業振興に寄与できれば」と語った。