複数の小売店を展開し、契約社員やパート社員が多い会社の社長が、知り合いの社長から情報を得て、人事部長に「無期転換ルール」について聞いている。

 社長 何でも、法律改正で、ことし4月に契約社員をみんな正社員に転換しないといけないそうじゃないか? 

 人事部長 労働契約法の改正で4月以降、契約が通算5年を越える有期雇用の労働者が無期雇用を申し出た場合、「無期契約社員」に転換させなければなりません。必ずしも正社員にする必要はなく、それは会社ごとの判断になります。無期転換前の不当な雇い止めは「社会通念上相当であると認められないとき」は無効と定められています。

 社長 パート社員も対象になるのかね?

 人事部長 はい、契約期間に定めのある場合はすべて「無期転換ルール」の対象になるので、わが社のパート社員も対象です。

 社長 どれくらいの社員が無期労働契約への転換を希望しているのか、事前にアンケートを取る必要があるな。無期社員の処遇について法律で何か決まりがあるのかい?

 人事部長 とくにありません。わが社は就業規則などで別段の定めを設けてないので、直前の有期労働契約の労働条件がそのまま引き継がれます。

 社長 分かった。5年以上勤務している者は、会社としても引き続き勤務してほしいと思っている。これを機に、正社員登用試験を導入して、契約社員から希望を募って、やる気のある者には正社員へのチャンスを与えようじゃないか。

 人事部長 良い考えだと思います。ではさっそく人事部内で正社員登用制度づくりを始めます。

[気になる数字]44.5%

 県内の非正規労働者の割合(2012年、総務省「就業構造基本調査」)

[気になる言葉]無期転換ルール

 2013年4月、労働契約法改正により、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が何度も更新されて通算5年を越えたときに、労働者(契約社員、パートタイマー、アルバイトなど)の申し込みによって、無期労働契約に転換されるルール。有期契約労働者が使用者に対して無期転換の申し込みをした場合、無期労働契約が成立する。企業は断ることができない。契約期間の定めがなくなるため、労働者にとって雇い止めの不安が解消され、雇用の安定につながる。一方、給与や待遇などの労働条件は労働協約や就業規則、個々の労働契約で別段の定めがある部分を除いて、直前の有期労働契約の際の労働条件がそのまま引き継がれる。(社労士・名城志奈)

県社労士会:電話098(863)3180