【東京】防衛省は2016年度予算案で宮古島への陸上自衛隊警備部隊配備に向け、新駐屯地の用地取得と敷地造成費108億円を計上した。16年度で用地を確保し、計画を加速させる。

防衛省の2016年度沖縄関係経費

 宮古島市の大福牧場と千代田カントリークラブで用地を取得する。訓練場のほか地下指揮所やミサイル部隊の陣地、弾薬庫を整備する方針。地対艦ミサイル(SSM)と地対空ミサイル(SAM)の配備も検討しており、部隊は700~800人規模になる見込み。

 15年度末に配備される与那国島の陸自沿岸監視部隊にはグラウンドや体育館などの施設整備費に55億円を確保した。一方、今回、石垣島への陸自配備計画には予算をつけなかった。

 今月、日米両政府が合意した16年度から5年間の在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の16年度分として前年度比21億円増の1920億円を計上した。合意の際、政府は「同水準を維持した」と説明したが初年度から増額した形で、今後5年間で現行に比べて増額となるのは必至とみられる。

■久辺3区振興費を倍増 新基地建設へ理解図る

 【東京】防衛省は2016年度予算案で、米軍普天間飛行場返還に伴う新基地建設現場に近い名護市の辺野古、豊原、久志の「久辺3区」への直接補助金について、15年度の倍となる7800万円を計上した。新基地建設への理解を得たい考えだが、具体的な使途が決まっていない段階で額を倍増するやり方は、公金支出の適正性の観点からも疑問の声が上がりそうだ。

 防衛省は倍増した理由を「久辺3区からの要望を踏まえた」と説明。一方、具体的な要望事項は明らかにせず、「工事で大きな影響を受ける久辺3区へ細やかに対応する必要がある」としている。交付額は今後実施計画を策定して決定するとし「現段階で申し上げることは困難」とした。

 政府はことし11月、新基地建設に反対する名護市の頭越しに3区への補助金交付を決定。15年度は各区1300万円を上限に計3900万円とし、辺野古、豊原区には年内に計2300万円が交付される見込み。

 一方、久志区は受け取りをめぐり区内で意見が割れている。上限額は防衛相が通達で定めることができる。

■米軍施設返還105億円 基地従業員関係を増額

 【東京】防衛省は2016年度予算案で、嘉手納以南の米軍施設返還関連経費として105億円(契約ベース)を計上した。キャンプ瑞慶覧のインダストリアル・コリドー地区と米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の倉庫を嘉手納弾薬庫知花地区とトリイ通信施設へ移設する費用として73億円を積んだ。西普天間住宅地区の建物取り壊しや原状回復費は29億円とした。

 また、日米両政府が合意した普天間飛行場東側とキンザーの一部返還経費で計21億円を確保。普天間は市道11号と併走する巡回道路の移設関係で19億円、キンザーはゲート整備などに2億円を計上した。那覇港湾施設(那覇軍港)移転へ向けた環境影響評価の方法書作成の経費として5700万円を確保した。

 米軍再編の円滑化事業は1億7700万円(4・3%)増の42億6500万円。久辺3区への補助金7800万円の他、再編交付金40億2300万円を計上した。

 基地従業員関係経費は466億5100万円で、前年度比2・8%(12億7700万円)増。日米が合意した在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)による従業員上限の引き上げのほか、人事院勧告を反映した結果で増額となった。

 提供施設整備費は59億円で11施設、27事業を実施する。普天間で最も額が大きいのは調整池を建設する雨水排水施設整備事業で、13億3200万円。トリイ通信施設の宿舎改築、北部訓練場の宿舎新築、ホワイトビーチへの消防署新築に向けた調査費として計4100万円を計上した。

 補償費のうち、嘉手納基地跡地の沖縄市サッカー場で見つかった高濃度汚染のドラム缶による土壌回復費として5億円を計上。14年6月に返還されたキャンプ・ハンセンの一部の原状回復費に7300万円をつけた。軍用地料は単価が1・2%上がり、12億円増となる990億2300万円とした。