「少し寝たから…」「数時間たったから…」。アルコールに対する誤った認識から朝方に飲酒運転で摘発されるケースが後を絶たない。沖縄県警がことし1~11月に飲酒運転で摘発した1417件のうち、「二日酔い運転」が指摘される午前6~9時は274件で、全体の約2割を占めていることが分かった。特に午前7時台が117件と際立つ。長時間、多量飲酒が指摘される沖縄。専門家は「アルコールに対する正しい理解が飲酒運転防止には不可欠」と強調する。(城間陽介)

時間帯別飲酒運転摘発件数(2015年11月末時点)

居酒屋で泡盛を酌み交わす客ら=沖縄県内

時間帯別飲酒運転摘発件数(2015年11月末時点) 居酒屋で泡盛を酌み交わす客ら=沖縄県内

 交通指導課によると、昨年は午前7時台の摘発が116件と時間帯別で最多だった。同課によると、朝方に多い傾向はここ数年続いているという。

 今年の最多は午前2時台の137件。3時間ごとでは午前1~4時が371件で、全体の約4分の1。捜査関係者はこの時間帯の摘発を「飲んで時間を置かずに運転する人」で、運転代行を待てずにハンドルを握るケースと見ている。

 一方、午前4時ごろから減り始める摘発件数は、午前7時台から再び増加する。これは仮眠後に運転する人たちとみられ、「酔いが覚めたから大丈夫」「事故を起こさなければ捕まらない」など認識の甘さによるものだ。運転代行で帰宅後、朝の出勤時に摘発される人も多い。

 県警によると、11月末現在の午前6~9時の間に起きた飲酒絡みの人身事故は18件。うち死亡事故1件、重傷事故は5件だった。

 県の飲酒調査によると県民1人1回当たりのアルコール摂取量は69グラムで全国の約3倍。肝臓の分解スピードは個人差があるが、約70グラムの酒が抜けるには13~15時間かかるという。

 飲酒運転根絶アドバイザーで国立病院機構琉球病院の福田貴博医師は「アルコールの性質上、酔い始めに比べ、抜けるときは自覚しづらい。県民一人一人が飲酒量の把握に努め、飲み方を考えていく必要がある」とし、アルコールへの正しい認識が飲酒運転根絶につながると指摘した。

■飲酒運転根絶宣言 那覇議会が決議可決

 那覇市議会(金城徹議長)は24日の12月定例会最終本会議で、交通事故防止対策と飲酒運転根絶を推進する宣言決議案を全会一致で可決した。

 決議では、11月に市内で発生した飲酒絡みの死亡事故に触れ、2014年に県内で発生した飲酒絡みの死亡事故や人身事故の件数が全国ワーストであることを指摘した。

 その上で「交通事故のない安心安全な交通環境の実現は市民共通の願いで、行政機関や団体、市民一人一人が賢明な取り組みを重ねてきた」と強調。市民による飲酒運転根絶に向けた運動の広がりを支援、推進することを宣言している。