民泊の新ルールを定めた住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月15日に施行されるのを前に、民泊を提供する家主の届け出受け付けが15日、始まった。新法は、家主が行政に必要な届け出をすれば、現行法(旅館業法)で許されていない住宅地でも営業できる仕組み。ただし、日数は年間180日までに限られる。県内では、営業地域や日数を新法より厳しく制限する条例が検討されている。いずれにせよ、6月以降は旅館業法か新法のいずれかをクリアしなければ営業できなくなるため、観光業界には「ヤミ民泊が一掃される」との期待がある。(政経部・平島夏実)

(資料写真)観光

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 新法は、(1)住宅の提供者(家主)(2)家主の代わりに清掃や苦情対応を担う管理者(3)仲介サイト業者-と関係者を三つに分類。いずれも行政が氏名や住所を把握し、公表する方針になっている。県内では、家主は知事へ届け出る。管理者は国交省、仲介業者は観光庁への登録が必要だ。

 那覇市が2月に公表した調査では、大手仲介サイト「エアビーアンドビー」が掲載する同市内の物件のうち84%が「ヤミ民泊」だった。一方、新法では、仲介サイトが観光庁の登録を受けるには「違法物件を取り扱わないこと」が条件になるため、ヤミ物件は国内のサイトからほとんどなくなる見通しだという。エアビーアンドビーは実際、「ホスト(家主)の責任」と題したページで新法を理解するよう注意喚起している。

 新法では、民泊物件には標識が掲げられる。民泊の運営タイプによっては標識に家主や管理者の緊急連絡先が書かれるため、「宿泊客がうるさい」「ゴミ出しルールが守られていない」「勝手に駐車している」など、地域住民が苦情を伝えることができる。都道府県には、業務改善・停止命令、立ち入り検査の権限もある。

 合法民泊にこだわってきた「とまれる沖縄」(那覇市)の藤本隆司代表代行は「今後活性化するのは離島や地方の民泊」とみる。これまで都市部のマンションなどで営業してきたヤミ民泊は、新法による日数制限で「365日モデル」が崩れ、採算が取れずに消えていくからだという。

 那覇市観光ホテル旅館事業協同組合の宮里一郎理事長は「新法を使ったビジネスが広がり、ホテルより民泊を選ぶ観光が加速するだろう」と構える。行政側に、「新法を守らせる『査察のプロ』を配置してほしい」と求めた。

 JTB沖縄の杉本健次社長は、ヤミ民泊の規制は必要とした上で「旅行者が求める宿泊の多様性は担保してもらいたい」と指摘した。