安倍政権に批判的な報道機関や番組への風当たりは強くなるばかりだ。テレビ朝日の「報道ステーション」のメーンキャスター古舘伊知郎さんの降板でその思いを強くしている

▼古舘さんは鋭い舌鋒(ぜっぽう)で政権への批判も辞さない。24日の会見で「権力に対し警鐘を鳴らす。権力を監視する」ことをキャスターの役割に挙げている。時の権力者にとって目障りな存在になっているだろう

▼一方で、TBSの「ニュース23」のアンカーを務める岸井成格(ただしげ)さんの降板も報道された。岸井さんは9月の放送で「安保法案は憲法違反であり、メディアとして廃案に向け、声を上げるべきだ」と発言。反発する団体が全国紙に意見広告を掲載し、公開質問状を出した

▼両番組は辺野古の新基地建設問題を積極的に報道。古舘、岸井氏は基地問題だけではなく、原発再稼働や安保法の問題でも、政権にも言うべきことは言う姿勢を示している

▼古舘さんが「誹謗(ひぼう)、中傷、批判がいっぱいあった」と明かすように、あらゆる「圧力」が降板の要因の一つになったのだろう

▼沖縄2紙をつぶすという百田発言が出た自民党の若手勉強会では「マスコミを懲らしめるには広告収入をなくせばいい」などの発言が上がった。直言できるキャスターの降板は、報道の自由への弾圧が強まる時代に警鐘を鳴らしている。(与那原良彦)