十数年前、取材先で知り合った警察官から交通事故防止のDVDをみせてもらった。歌手さだまさしさんの曲「償い」をベースにつくられたものだった

▼死亡事故を起こした男性が被害者宅へ謝りに行くと、被害者の妻から「人殺し」と言われる。以来、男性は賠償金として給料の一部を毎月送金し続けるという内容だ。1度の過ちが人生を大きく変えてしまう恐ろしさを実感した

▼県警によると、1月から11月までの飲酒運転の摘発は1417件。2014年までに交通人身事故全体に占める飲酒絡みの割合は25年連続、死亡事故では2年連続で全国最悪。しかも全国平均の2倍から4倍多い。異常事態と言える

▼県警や交通安全協会などが防止運動を展開し、マスコミも何度も報道しているが、飲酒運転は後を絶たない。なぜか。「大丈夫」という認識の甘さが最大の原因だと専門家は指摘する

▼酒酔い運転には「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」という刑事罰がつく。人身事故の場合はそれだけでは済まず、民事裁判による多額の賠償金支払いもある。何より罪の意識は一生消えることはないだろう

▼年末年始は酒を飲む機会も多い。しかし飲酒運転で事故を起こせば、家族や親類、友人も巻き込んでしまう。飲酒運転は絶対しないよう声を掛け合ってほしい。(玉寄興也)