大量の難民を受け入れ、人道的な国民性を誇ったドイツの表と裏の顔を崩壊寸前のある家族に置き換えて理解させてくれる知的なコメディー。

「はじめてのおもてなし」の一場面

 物語の中心は、ドイツに暮らすハートマン一家。ヒアルロン酸でシワを伸ばし、現役にこだわる医師リヒャルトと、教師を引退し、生きがいを見失った妻のアンゲリカの日々はすれ違いばかり。

 そんなある日、アンゲリカが突然、難民の受け入れを宣言。リヒャルトの差別的な反対は押し切られ、一家はナイジェリアからの難民ディアロを招き入れる。

 しかし、夫婦関係を筆頭に土台がグラグラなハートマン一家は、ディアロを巻き込んで、毎日が大騒動。騒ぎはどんどん拡大し、ディアロの亡命申請は却下される始末。

 鋭い風刺に、笑っていいのかと迷うけれど、やっぱり笑っちゃうハートフルな1本。(桜坂劇場・下地久美子)

 ◇桜坂劇場で17日から上映予定