11月上旬、沖縄伝統空手がNYにやって来た。県と日本政府共催である。選抜された4流派の師範4人と沖縄からの関係者も含めて10人がニューヨーク入りした。

左から喜友名朝孝先生、喜久川政成先生、上地強先生、高良一也先生=ニューヨーク

 武歴70年の喜友名朝孝先生(76)=沖縄少林流立志館(範士10段)=は、父と兄が空手家で空手が普通の家庭環境で育った。仕事をしながら大学の単位を積み重ね、空手修業を続けた。それを存続することは同じ体験者じゃないと実感できないだろう。教育者になり空手を学校でも教え、青少年たちに模範を示した。堅実で誠実な構えで校長に昇級した「文武両道」の模範。校長定年の空手家である。

 喜久川政成先生(69)=沖縄剛柔流空手道協会(範士9段)=は、ワークショップでチイシーやカーミなどの沖縄独特の鍛錬古道具は先生だけに用意された。カーミを両手に「Cーモーション」で歩みサンチン形の最初の部分を披露。絶えず垂直な背筋の姿勢はどの武道者にもすぐ分かる。過去に国体や世界大会でも形の部で優勝。10年前に警察を定年退職。私は最終日のワークショップで喜久川先生の通訳として配置されたが、沖縄伝統剛柔流の氷山の一角を見たと感謝している。

 上地強先生(64)=一心流沖縄伝統空手道協会(教師8段)=は、英語が話せ、セミナーはほとんど1人でもOKだった。今まで過去11年米国東北部に毎年1度は招待され、最近はデンマークからも要請の話がある。若いころの本土在住時には松濤館を学び沖縄へ戻って来て25歳から一心流に専念。人生に屈しない柔軟性のある姿勢は、受講生たちをリードした準備体操にも表現された。今回の空手派遣の中で皆と一緒に旅行し、行動したことが最も印象的で楽しかったと話した。

 高良一也先生(54)=沖縄上地流唐手道会(教師7段)=は、大会実績では過去に全沖縄空手道選手権大会組手の部で優勝。10年前に設立した普天間道場から弟子たちとともに大会へ参加し大活躍中。「上地完英先生と父高良信徳の大切な沖縄文化の空手の正しい継承を使命に常に稽古に励み、心身錬磨努力している。沖縄の誇りである空手を世界に広めることを目標に精進したい」と感想を述べた。

 学校や日本協会などで3日間連続で行われたワークショップでは、賛否両論あったが先生方は臨機応変に終了させた。私も予期もしなかったぶっつけ本番のやりとりだった。セミナーは4流派を通して「セーサン」形・分解と決められ、それが課題になり今でも話題である。

 剛柔流と上地流では「セーサン」、一心流と少林流では「セイサン」と名称され、この形だけが4流派の共通する唯一の形。受講者や見学者を含めて述べ約5百人が参加した。県文化振興課から「沖縄伝統空手の素晴らしさを実感するとともに、有意義な海外派遣事業になったことを大変うれしく思う」とメールをいただいた。自分のことのようにうれしかった。

 今回、派遣団と6日間同行し、司会や通訳を引き受け、シマンチュとしての使命感を感じた。(てい子与那覇トゥーシー通信員)