【ウォード麗奈通信員】県出身アーティストによる個展・グループ展がこのほど、モンゴル国の首都ウランバートルで開催された。グループ展のうちの一つは「NOTE3 ホステル」。「NOTE1 根川商店」、「NOTE2 倉庫」に続く、県出身アーティスト4人を含めた6人のグループ展で、ウランバートルにあるホステルで10日間開かれた。ホステル内の台所や廊下の壁に作品が展示され、世界中から来た旅行者が作品を楽しんだ。

ウランバートルにあるパール・アート・ギャラリーで津波さん(左から2人目)、トゥメンバヤルさん(同3人目)、児玉さん(右から2人目)

グループ展の様子=ウランバートル、パール・アート・ギャラリー

ウランバートルにあるパール・アート・ギャラリーで津波さん(左から2人目)、トゥメンバヤルさん(同3人目)、児玉さん(右から2人目) グループ展の様子=ウランバートル、パール・アート・ギャラリー

 ロンドン在住の県出身アーティスト津波博美さん(南城市出身)は、昨年夏に旅行とリサーチでモンゴルを訪れた際、モンゴル人アーティストのホラン・トゥメンバヤルさん(県立芸術大学卒)と出会った。「ギャラリースペースやアーティストを紹介してもらい、訪ねたアートスペースの一つが、展示会をやってみないかと持ち掛けてくれた」と話した。

 個展「Relocation・物理的な移動と時の経過から未来像への問い」は、マス・アート・スタジオで4日間あり、60人以上を集客。展示会は、建物を使い遊牧民のゲル(移動式住居)と見立てる試みで、6階の展示会場の窓からロープを5階のバルコニーまで垂らし、その先に物を重しとして下げた。鑑賞者は6階の展示物を見た後に、5階のバルコニーに移動してもらった。建物は1階が寺、3階がベジタリアンカフェ、5階はヨガ教室。津波さんは「掃除のおばさんやカフェのお姉さん、お坊さんやヨガ教室のアシスタントなど建物で働く人々も見に来てくれた。交流ができてとても感謝している」と振り返った。

 個展開催の話を進める中で、トゥメンバヤルさんから展示会に参加したいと話があり、グループ展「Steppe&Ocean-草原と海」のアイデアが浮かんだという。津波さんは「海に囲まれた沖縄と草原に囲まれたウランバートル。お互いに独特な環境を背景とする展示会に不安はあったが、沖縄とモンゴルが、他の分野でもつながっていければという期待を込めた」と意義を語った。

 参加アーティスト10組のうち県出身アーティストは、津波さんのほか、石垣克子さん(石垣市出身)、児玉美咲さん(うるま市出身)、decco(仲村盛隆さん・聡子さん=那覇市首里出身)、ロンドン在住の山内盛彰さん(宜野湾市出身)。写真やドローイング、陶器、インスタレーション作品などを展示した。ウランバートルのパール・アート・ギャラリーで開催された同展のオープニングは50人ほど集客。地元テレビ局が取材に来るほど話題を集めた。

 児玉さんは沖縄から駆け付け、美術大学の学生に囲まれてトークをする場面も。「美術は人や場所をつなぐ手段でもあり、懸け橋のようだと思った」と感想を語った。