自称「ダウン症のイケメン」あべけん太さん(30)がおもしろい。IT企業の総務部で働きながら、タレントとしてテレビに出演する。「歌ヘタだよね」と言われてもカラオケが大好きで、休みの日は「昼間からビール」が至福。レスリング、ボクシング、絵画が趣味で、55回目の挑戦で運転免許試験に合格して歓喜する

▼著書で「もし障害がなくなる『禁断の実』があったとしても、僕はまったく食べたくないですね。食べたら『ダウン症のイケメン』じゃなくなりますから」。天真らんまんな明るさは人を元気にする

▼十人十色だが、ダウン症はちゃめっけがあって人の注目を集めるのが好きな子が多い。成長のスピードは遅いけれど、時間をかけていろんなことができるようになる。ダウン症児の親の会の取材を通して知ったことだ

▼相模原市の障がい者施設で19人を刺殺した男は「昔見た同級生が重い障がい者で幸せに思えなかった」と供述した

▼「『障害者なんて生まれてこない方がいい』という意見を聞くと『ふざけんなよ』って思います。僕は毎日ハッピーです」とあべさん。独善的な思考は無知から生まれるものだ

▼世界ダウン症の日にちなんだ啓発イベントが21日、北谷町美浜で開かれ、ダウン症の子たちがダンスなどを披露する。「障がいは不幸か?」。その答えがきっと見つかるはずだ。(高崎園子)