那覇市古波蔵1、2丁目の住民でつくる「古波蔵むつみ会」(仲村渠忠一会長)のメンバーらが12日、古波蔵で半世紀前までよく作られていた豆腐「古波蔵(クファングヮ)ウシジャー」を再現した。古波蔵の湧き水で作る古波蔵ウシジャーは人気で、ほとんどの家庭で作って公設市場近くで販売していたという。古波蔵には「ウシジャーの神」をまつる拝所もあり、今後は地域の子どもたちと一緒に作って食文化を伝える企画などにも取り組んでいく。(社会部・浦崎直己)

豆乳ににがりを入れ、固めていく棚原光子さん(左)と玉城茂さん(同2人目)=12日、那覇市古波蔵・古波蔵むつみ会館

ウシジャーの神をまつる拝所を紹介する仲村渠善照さん。右側には大豆をつぶすときに使う臼もある=12日、那覇市古波蔵

豆乳ににがりを入れ、固めていく棚原光子さん(左)と玉城茂さん(同2人目)=12日、那覇市古波蔵・古波蔵むつみ会館 ウシジャーの神をまつる拝所を紹介する仲村渠善照さん。右側には大豆をつぶすときに使う臼もある=12日、那覇市古波蔵

 ウシジャー豆腐は、固めるときに箱は入れずにザル(バーキ)に張った布で包み、重しを乗せて固めた丸形豆腐で、ウシジャーは「重し」に由来するのではといわれる。約50年前まで県内で作られており、豊富な湧き水があった古波蔵のウシジャーは有名だったという。

 ウシジャーの神の拝所は古波蔵の御嶽にあり、火の神(ヒヌカン)の拝所の隣にある。近くには豆腐作りに使っていた井戸も残る。母が豆腐を作り、売っていたという仲村渠善照さん(90)は「ウシジャーの拝所は物心つく前からあった。今でも市外から拝みに来る人もいるよ」と話す。

 再現は、地域包括支援センター古波蔵の職員との話し合いで、地域を盛り上げる企画として提案された。かつて古波蔵ウシジャーを作っていた棚原光子さん(81)と、玉城茂さん(85)が中心となって挑戦。ミキサーでつぶすときの水の量やつぶし具合、鍋で豆乳を温めてアーブク(泡)があふれそうになったタイミングで混ぜるにがりの量など、一つ一つの作業を確認しながら作っていった。

 悪戦苦闘しながら、大豆をつぶす作業から約3時間かけて完成。途中で豆乳やゆし豆腐も試食したほか、豆乳を温めた時に出たアーブクとナンチチ(焦げ)を使った豆腐も作り、みんなで味わった。

 50年ぶりに作ったという玉城さんは「自信はなかったけど再現できた。今回は搾りが足りず、豆乳の量が少なかった。あと2回搾れば、もっと豆腐の量も増えたのに」と感想。棚原さんは「昔の大豆と種類が違っていて甘みが出た。湧き水だとミネラルが含まれるからか、豆腐が固くおいしくなる」と説明した。