年内の営業を終え、もう入り口に新年のあいさつや真新しいしめ飾りを取り付けた店や会社がある。年末の慌ただしさの中にも、新年の気配が漂う

▼2015年は過去になりつつある。忘年会で多くを水に流した方もおられよう。それでも忘れられない、忘れてはならないことがある

▼筆頭は「戦後70年」か。本紙がことし選んだ沖縄版・流行語大賞で2位に入った。実相を伝えようとする沖縄戦体験者とそれを引き継ごうとする真っすぐなまなざしに取材で何度か出会った。惨劇を繰り返さないために、心に届くように伝える力量が、私たちに問われている

▼際立ったのは県と国との関係の変化だろうか。翁長雄志知事が5月の県民大会で発した「うちなーんちゅ、うしぇーてぃないびらんどー」が印象に残る。沖縄版・流行語大賞の1位になった。「沖縄を見くびるな」の意を丁寧な言葉遣いで表現しながら、強い憤りが感じられた

▼対する菅義偉官房長官の「粛々と」(4位)や、名護市辺野古への新基地建設に反対する市民への警察や海上保安官の「過剰警備」(10位)もあった。強硬に基地を押しつける政府への抗議は、新年もやまない

▼この1年が、沖縄の歴史の転換点だったのは間違いない。来る年も正念場が続く。胸を張って後世に伝えられる選択をしていきたい。(安里真己)