戦後70年目の節目となった2015年が、間もなく暮れる。苛烈な地上戦で県民の4人に1人が犠牲となった沖縄では、不戦と恒久平和をあらためて願う年となった。一方、国会では安全保障関連法が成立。政府は名護市辺野古の新基地建設を粛々と進めるなど、“戦前”を想起させる動きが重なる年でもあった。

戦没者の名前が刻まれた平和の礎には年の瀬にも多くの人が訪れた=30日午後、糸満市摩文仁・平和祈念公園(伊藤桃子撮影)

 戦争体験者の高齢化が進み、県は6月23日の沖縄全戦没者追悼式を沖縄戦の歴史的教訓を正しく伝え、次世代に平和の尊さを継承する場と位置付けた。子どもの合唱を初めて取り入れ、高校生らが参加する平和行進を県教育委員会が初主催するなど、沖縄戦の実相を継承する動きが進んだ。

 一方、新基地建設阻止を目指す翁長雄志知事は、埋め立て承認の取り消しを断行。対抗する政府と県が、互いに相手を提訴する法廷闘争に突入した。

 辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前では市民の抗議行動が続き、警視庁は機動隊員を沖縄に長期派遣して取り締まりに当たった。海上保安庁や機動隊と市民が衝突し、市民側が意識を失ったり骨折したりする事態も起きた。

 16年は国と県が互いを訴えた訴訟が続き、新基地建設問題が正念場を迎える。6月には県議選を控え、翁長県政の枠組みを決める中間審判が下される。

 7月の参院選は、選挙権年齢を18歳以上に引き下げる改正公選法がことし6月に成立したことを受け、初適用の国政選挙となる見通し。若者の政治参加に関する意識が高まるかどうか、注目の年でもある。