沖縄県うるま市天願区で、天願産の島ダイコンのブランド化を目指す取り組みが始まっている。県農業研究センターが、20年以上前に区から持ち込まれた種子を研究。区民約20人が栽培を試み、ことし1月から2月にかけて一部で収穫ができた。試行錯誤の段階で安定生産にはまだ至らないが、区は将来的に地域活性化の一役を担う商品に育てていきたい考えだ。(中部報道部・大城志織)

天願で栽培した島ダイコンを手に取る菊農家の仲村朝吉さん(左)と照屋勇自治会長=うるま市天願

◆25年ぶりに本格栽培開始

 島ダイコンは以前、形や大きさなどばらつきがあった。同センターが天願区の農家から持ち込まれた種子の研究を重ね、真ん中が膨らみ、先が少し細くなる「中ぶくら」の形にほぼなるよう形質固定化に成功した。

 天願区によると、区では約25年前に島ダイコンを栽培している家があったが、現在は専業のダイコン農家はなく、家庭用での栽培が中心だという。

 県は2012年度から一括交付金で島野菜の系統特性調査などを実施し、島ダイコンでは中城や久米島系統など7種類を調査した。天願の島ダイコンは青首ダイコンと比べて身が引き締まって煮崩れしにくく、生では辛みが強いのが特徴だ。

 昨年9月に島ダイコンの栽培講習会を開き、参加した区民約20人に1人当たり200~400粒ほどの種を配布した。

 栽培してみると、アブラムシに葉がやられるなど被害が出て、生産が良好だったのは6人ほど。菊農家の仲村朝吉さん(72)の畑では60本ほど収穫し、来年度に向けて種子の採取用に数本を残している。「来年度は栽培時期などいろいろ改良していきながら、ゆくゆくは商品化できるよう頑張りたい」と語った。

 天願区の照屋勇自治会長(69)は「天願は農家も少なく、ほとんどがあたいぐゎー(家庭菜園)。まだまだこれで生活を支えるまでにはいかないが、面白い試みだ」と評価。「地産地消を目標に、将来的に天願ダイコンのブランド化など区の活性化につながれば」と期待を寄せた。

 うるま市農政課も「天願区の意向に沿いながら、市も相談対応など支援をしていきたい」としている。