沖縄県の中城村立津覇小学校(田﨑明美校長)職員室前の棚にツルグミ(ウチナーグチでクービ)がたわわに実り赤く熟している。グミの色づきは3月の同校の春を彩る風物詩。この時期になると、グミを知る保護者から「色づきましたか?」と問い合わせもあるという。ツルグミは1950年代ごろまで村南上原区一帯で野イチゴやヤマモモとともに多く自生し、子どもたちのおやつだった。

赤く熟したツルグミの実

ツルグミを観察しながら、1年生に実の食べ方を教えた田﨑明美校長(後列中央)=15日、中城村立津覇小学校

赤く熟したツルグミの実 ツルグミを観察しながら、1年生に実の食べ方を教えた田﨑明美校長(後列中央)=15日、中城村立津覇小学校

 津覇小のツルグミは、通学バスの運転手をしていた同区の故比嘉定信さん(享年71歳)が自宅の庭にあったものを「子どもたちに観察させたい」との思いから、1990年代後半に移植したという。樹高約5メートル、誘引した枝は約6メートル四方に広がり、地域住民は「県下一大きいグミの木ではないか」と話す。

 2001年から03年まで同校の教頭だった新垣幸枝さん(67)は「ツル性なのでオオイタビに巻かれて枯死しないか心配で村教委に棚を作ってもらった。思い出の木で大事に養生してほしい」と話し、当時PTA役員だった新垣正さんは(60)「実生樹林の少ない学校の貴重な教材。いつまでも大事にしてほしい」と語った。

 15日は田﨑校長が摘み取り、1年生に食べさせた。呉屋賢太郎君(7)は「すっぱい」と少し顔をしかめた。国仲瑛都君(7)と平良乃愛琉さん(7)は「おいしくもないし、まずくもない」と感想。田﨑校長は「酸味はあるが爽やかな味。歴史あるグミの木を大事にしていきたい」と話した。(翁長良勝通信員)