北中城村島袋の県道沿いに「日本蕎麦(そば)」と大きく書かれた白い垂れ幕が、「百々庵」の目印だ。一歩入ると、そばとだしの香りが鼻をくすぐる。

一番人気の天ざるそば。野菜やきのこは、季節のもの

一番人気の天ざるそば。野菜やきのこは、季節のもの

 店主は、東京などで40年近く懐石料理の板前をしていた殿村辰夫さん(59)。昨年7月、「いつかは沖縄で店を構えたい」との念願をかなえ、沖縄出身の妻、博美さん(54)と店を開いた。

 殿村さんが「もっとも力を入れている」のは、そばつゆ。かつお節や昆布、干ししいたけなど10種類ほどの材料で取っただしが効き、東北産のそば粉を使った細めのそばとよく合う。「最後まで味わってほしい」と、そばのゆで汁「そば湯」で割って飲むことも、お客には勧めている。「沖縄ではなじみのうすい日本そばだけど、いろいろな味わいを知ってほしい」と、願っているからだ。

 人気は、温かいてんぷらそばと、冷たい天ざるそば(いずれも1200円)。サクッとした歯ごたえの天ぷらは、板前時代に「1日4~500人前は揚げていた」という腕前を生かした自慢の一品だ。

 そのほか、そばのメニューは、ざる(800円)や山菜(850円)、月見(880円)など定番がそろう。天丼(930円)や、アグーてんぷら定食(1500円)など、ご飯ものもある。

 野菜やきのこを中心に、できるだけ地元・沖縄産の季節の素材を使う。「新鮮だし、食べる人がなじんでいる素材が一番いい」と、殿村さん。客の大半は地元客だが、中には「百々庵」の味を気に入り、那覇から定期的に通う客もいる。

 「大切なのは地域のお客さんに、気軽においしいものを味わってもらうこと」。いずれは、そばに合う懐石料理も出せたらと考えている。(中部報道部・下地由実子)

 【お店データ】北中城村島袋1478。営業時間は午前11時半~午後3時、夜は午後6時~10時。火曜定休。駐車場2台。電話098(989)4657。