名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て承認取り消し処分を違法として、石井啓一国土交通相が翁長雄志知事に対して起こした代執行訴訟で、福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判長は8日の第2回口頭弁論で、国と県に主張の補充などを求めた。見解を尋ねたのは、「緊急性」が代執行の要件に入るか、違法確認訴訟と行政不服審査制度について。

 多見谷裁判長は地方自治法が定める代執行の要件に、「緊急性」があるのかと国側に質問。国側は、都道府県知事の法定受託事務の執行に問題がある場合、「緊急」に是正する必要があると指摘。定塚誠法務省訟務局長は、条文にはないが「放置することにより、著しく公益を害することが明らか」という自治法245条の8の解釈で必然的に出てくるとした。

 自治法が定める「他の是正措置」について多見谷裁判長は、国側に是正の指示や違法確認訴訟などの「他の措置」をした場合の期間や発生する公益侵害について明らかにするよう要求。

 県側には仮定の話として、「違法確認訴訟で県側が敗訴したら、どうするのか」と質問。敗訴が確定した場合、翁長知事が承認取り消し処分などを取り下げる可能性について触れたとみられる。県側の加藤裕弁護士は「即答は不可能だが、検討する」とした。

 行政不服審査制度について裁判長は国と代執行の関係について、1999年の自治法改正の際にどのような議論があったのかを国に調査・報告するよう求めた。