「何もないのがいい」「手付かずの自然が残っている」「とても静か」-。那覇から北西約60キロにある粟国島の魅力を聞くと、島民や島出身者からこんな答えが返ってきた

 ▼火山岩と隆起サンゴ礁ででき700人余りが住む周囲約12キロの粟国島。その魅力を伝える展示会が、那覇市のタイムスギャラリーで開かれている。11日まで

 ▼自然、文化、産業など幅広い関係資料提供を外部に呼び掛けるアーカイブ事業の一環。村が持つ文化資料が少なく、個人レベルで持っている貴重な資料の散逸を防ぎ、次代へつなげるのが狙いだ

 ▼家族、運動会、船の見送り、祭りなど、のどかな島を感じさせる1950年代から70年代の写真のほか、生活で使われた農具や食器なども。3年間の事業は本年度で終了するが、展示会は本島と同島でも行われ、反響は大きいという

 ▼会場を訪れた島外出身の安里盛昭さん(74)は40年余り島の写真を撮り続ける。「行事や祭りが多い。島の所々にあるソテツ、フクギと石垣の塀、氷山のような真っ白に輝く崖フディンサチの自然もよその島とは違う」と強調した

 ▼粟国では行われなくなった行事や祭りも多く、将来を危惧する声もあるという。島の伝統文化は人々の絆を強め、島の個性にもつながる。島民や島出身者が、存続へ知恵を絞ってほしい。(玉寄興也)