辺野古新基地建設予定地の海底に、深さ約40メートルにわたって軟弱地盤が続いていることが沖縄防衛局の地質調査報告書で分かった。

 防衛局が2014年から実施したボーリング調査では、大浦湾で多くの軟弱地盤が見つかっているが、特に深刻なのは水深が一番深く未着手の「C1」と呼ばれる護岸建設水域にある2地点だ。滑走路付近に位置する。

 地盤の強度を示すN値が「ゼロ」を示す地点が続出。地質調査が成立しないほど軟らかい地盤となっている。

 大きくへこんだ2地点を、海底から大きく隆起した地形が取り囲むように谷のような形状になっている。

 報告書では「当初想定されていないような特徴的な地形・地質が確認された」と明記。2カ所の地層は「非常に緩い・軟らかい砂質土や粘性土が40メートルと非常に厚く堆積している」と記述している。

 防衛局の設計では、C1護岸は海底に基礎捨て石を敷き、その上にケーソン(巨大コンクリート製の箱)を設置する計画である。

 報告書は「構造物の安定、地盤の沈下・液状化の詳細検討を行うことが必須」と結論付けている。軟弱地盤の地形に巨大な構造物を設置することが困難であるという意味である。

 報告書は情報公開請求した沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏らが入手したものである。防衛局は自身にとって「不都合な真実」を隠蔽(いんぺい)しようとしたのではないか。そう疑われても仕方がない。

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 報告書にはC1護岸周辺について「活断層の疑い」も記載している。

 活断層は過去に繰り返し活動し、将来も活動することが予測される断層だ。

 C1護岸は陸上部の「辺野古断層」と「楚久断層」の延長線上にある。専門家が活断層とみている場所だ。

 地震が起きて津波に見舞われれば、どうなるか。基地が打撃を受けるだけではすまない。新基地には弾薬搭載エリアも設置される。重大な事態を招くことになるだろう。

 沖縄防衛局は活断層の存在を否定しているが、自身の報告書との整合性がとれない。地質学の専門家からも意見を聴いておらず、説得力のある根拠を示していない。

 防衛局は大浦湾での海底調査を継続している。活断層かどうかを判断する音波探査を実施しているとされる。

 軟弱地盤も、活断層疑いについても、防衛局は調査内容を自ら全面公開し、説明責任を果たす必要がある。

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 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故の教訓は大地震と大津波を「想定外」としていたことだった。

 辺野古新基地予定地が地質学上の観点からも、安全性に重大な疑義が出ていることを防衛局は重く受け止めなければならない。新基地の立地そのものに深刻な疑いが生じているのである。

 膨大な費用と時間をかけて軟弱地盤を地盤改良することを想定しているのか、活断層の疑いにどう対処するのか。何の説明もなくこのまま工事を進めることは許されない。