沖縄県南風原町の美ら卵(ちゅらたま)養鶏場で、父が育てた鶏卵を使って娘が作る「たまごパウンドケーキ」が人気だ。1月の「花と食のフェスティバル」で行われた「おきなわ島ふ~どグランプリ」では、来場者の投票で最優秀賞に輝いた。卵の生産から加工、販売の6次産業化を手掛ける父娘は「養鶏場を幹に、カフェなどの枝も伸ばせたら」と夢を膨らませている。(南部報道部・又吉健次)

「たまごパウンドケーキ」をPRする知名真理さん(右)と小森奈津子さん=南風原町・美ら卵養鶏場

産みたての卵を手にする諸見里元さん=南城市

「たまごパウンドケーキ」をPRする知名真理さん(右)と小森奈津子さん=南風原町・美ら卵養鶏場 産みたての卵を手にする諸見里元さん=南城市

 諸見里元社長(57)は養鶏農家の2代目。2010年、南城市の養鶏場を買い取って独立した。だが周辺には観光施設があり、鶏ふんの悪臭対策などもあって事業拡大は難しかった。

 「このままでは厳しい」と考えた諸見里さんは6次産業化を検討。卵を使う天ぷら店、チキンの丸焼きなども考えた末、娘が提案した「おしゃれなケーキ店」を開くと決めた。

 しかし、家族の誰も本格的に作った経験はない。そこで調理師免許を持つ親戚の小森奈津子さん(38)に声を掛け、諸見里さんの次女で美容師の知名真理さん(31)が中心となり13年4月、南風原町照屋に店舗を開いた。

 産卵翌日に使う卵は新鮮で卵黄にこくがある。養鶏場が母体なだけに、卵黄の割合を増やしてもコストを抑えることができた。

 最優秀賞に輝いた「たまごパウンドケーキ」は、知名さんと小森さんが考えた商品だ。キャラメルソースとクルミを生地に混ぜたほか、焼き上げた後にソースを塗って二度焼きし、粗塩を振る。人気があり、多い時で1日50本以上売れるという。

 現在は町照屋と兼城の2店舗でケーキや卵を販売する。「卵を使うことで父の養鶏場を応援したい」と知名さん。諸見里さんは「目標達成すると次の夢も生まれる」と手応えを感じている。小森さんは「店の特徴は卵の味。シンプルで甘さ控えめのケーキを作っていきたい」と意気込んだ。

 おきなわ島ふ~どグランプリで、同社は16年に「美ら卵養鶏場のプリン」で最優秀賞、17年に「ぴよぴよシフォン」で優秀賞と、3年連続で受賞している。

 問い合わせは美ら卵養鶏場兼城店、電話098(889)1950。