戦後50年にあたる1995年という年は、年初から時代を画する出来事が相次いだ。阪神・淡路大震災、オウム真理教による地下鉄サリン事件、米兵による暴行事件に抗議する復帰後最大規模の県民大会、「平和の礎」の完成…。

 あの年の4月2日から翌96年4月1日までに生まれた人たちが、きょう11日、晴れて成人の日を迎える。沖縄の新成人およそ1万6千人。全国では121万人。

 あれから現在までの新成人が生まれ育った20年間も、多くは破局というマイナス・イメージと結びついている。米同時多発テロ、イラク戦争、東日本大震災、東京電力福島第1原発事故、世界を襲った米国発の金融・経済危機、経済格差の拡大…。

 振り返ってみると、この20年が時代の大きな転換期だったことが分かる。

 下流老人、子どもの貧困、中流崩壊、非正規雇用-社会の深層を映し出す言葉がメディアにあふれる。財政赤字は膨れる一方で、株も土地もない人々は将来に対する安心感がまったくもてない。

 日本と米・英・独・仏・韓・スウェーデンの計7カ国の若者(満13歳~満29歳)を対象に、内閣府が2013年に実施した意識調査の結果は、日本の若者が抱く閉塞感を如実に示している。

 自分の将来について「希望がある」「どちらかといえば希望がある」と答えた人の割合は、日本を除く6カ国では8割以上を占めているのに対し、日本は61・6%にとどまった。「希望がない」は逆に群を抜いて多い。

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 自分に対して自信と肯定感を持ち、将来進むべき道が明確で、それが実現可能だという見通しが立っていれば、おのずから希望は膨らむ。

 親が経済的に豊かであれば親の力で環境整備を進めることができるが、そうでない若者は孤軍奮闘を強いられる。 公正・公平な競争が実現できるよう機会の平等を保障し、若者が活躍できる場、働く場を多様に整備することが、若者の希望回復への第一歩である。

 職場に地域コミュニティーにその他あらゆる所に若者が活躍できる場を確保し、参加を促すこと-それは社会全体で取り組むべき課題だ。

 エイサーなどの沖縄の伝統文化は、そのようにして先輩から後輩へ引き継がれてきたものである。世代継承がスムーズにいっている地域は活気があり、若者が役割意識をもって生き生きと地元の行事に参加している。見本は足元にある。

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 今年の夏の参院選から、選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられる予定だ。参院で与党と改憲勢力が3分の2以上の議席を獲得すれば、戦後初めての憲法改正がいよいよ現実の政治日程にのぼる。

 宜野湾市長選や県議選、参院選の結果も名護市辺野古の新基地建設問題の行方に大きな影響を与えるだろう。

 若者の閉塞感を打ち破る施策を実現させるためには、若い人たちが積極的に投票し、政治にもの申すことである。 新成人になった機会に「お任せ民主主義」を卒業しよう。