与那国町への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備計画に反対する同町の住民30人が、建設計画中の施設によって憲法などが保障する平和的生存権や人格権が侵害されるとして、国に建設の差し止めを求めた仮処分申し立てについて、那覇地裁(森鍵一裁判長)は10日までに、申し立てを却下した。決定は昨年12月24日付。住民側は決定を不服として、今月7日付で福岡高裁に即時抗告した。

与那国町で建設が進む陸上自衛隊沿岸監視部隊の隊舎など=2015年12月25日、同町

 森鍵裁判長は決定書で、沿岸監視レーダー装置や訓練施設などの建設によって戦争に巻き込まれる恐れがあると住民側が訴えていることについて「工事を差し止めなければ、武力衝突が避けられなくなると認めるに足りる資料がない」と指摘。工事の続行が、平和的生存権を侵害するとは認められないとした。

 平和的生存権は、国民が政府に対して平和主義を実現するよう、政治の過程で求めるものと指摘。私法上の行為の効力を争う具体的な判断基準となるものではないとした。レーダーが発する電磁波について「電波法や自衛隊法などが定める基準を下回る」と判断。人格権の侵害はないとした。