24日に投開票される宜野湾市長選。沖縄タイムスは9日、立候補を予定している現職の佐喜真淳氏(51)=自民、公明推薦=と、新人で元沖縄県幹部職員の志村恵一郎氏(63)を招いた座談会を開いた。内容全文を3回に分けて掲載する。上は、沖縄タイムスの質問に対し、両氏がそれぞれ答えた内容。

―普天間飛行場の「危険性の除去」「固定化阻止」は具体的にどう実現するか 

佐喜真氏:まずは固定化阻止というか、固定化ということすら私は言語道断だと思っております。日米両政府につきましてはこの固定化を絶対してはならないという強い姿勢と、ある意味闘いだと思っておりますので、この部分を強調させていただきながら、常に市民の側に立ってやるのが私の姿勢でございます。

 本来、固定化というのはあってはならないし、それを絶対に阻止しなければいけない。あるいは1日も早い返還というものをやる。そして危険性の除去というのは先般、私どもとして基地負担推進会議というのを設けてございます。ただし、残念ながら県政が変わって1年以上、この会議が行われておりませんので、私は政府に対してその会議を進めてほしいと思います。

 もし、県が入らない場合でも、私は政府に対してしっかり推進会議というものを実現してもらいたいと、前に持っていく。いわゆる市民の声をそこでしか伝えられないので、そこで伝えられるような仕組みづくりをやっていきたいと思っております。

志村氏:普天間基地の危険性はなによりもオスプレイの配備撤回、県内移設を許さず閉鎖返還を求めた建白書の実現が大事です。県内41市町村が署名したように、建白書で県民はオール沖縄を作り上げ、日米政府に強く実現を迫ってきました。県内移設では危険性は除去できません。

 わたしは翁長県政を支え、宜野湾市民は新基地を造らせないという県民市民の総意を力に市政を変え、日米政府に新基地建設を断念させます。移設によらない無条件返還こそ、危険性の除去と固定化に最も実現的で具体的な方策です。10年以上もかかる県内移設は決して解決策ではなく、わたしは市民と県民と共に翁長知事と力を合わせて、普天間基地の5年以内の運用停止、オスプレイの配備撤回、新基地ストップの建白書実現のために全力を挙げていきます。

 そもそも普天間基地は米国の安全基準にさえ合っていない。日本の国法も満たしてはいません。騒音被害についても繰り返し法の判決も出ています。安全平和に暮らす市民の権利を奪い、オスプレイまでも配備をし、普天間基地を運用し続けてきている。すでにヘリ墜落事故から10年がすぎています。政府は速やかに閉鎖返還に向けた工程表を明らかにして、1日でも早くこの現状を解決すべきだと思います。日米政府はそれぞれの国内法を無視した基地の使用を黙認し、不平等な日米協定に正面から取り組んでこなかったことが、固定化の原因であります。

 ―普天間飛行場の深夜・早朝飛行や騒音など当面の課題解決にはどう取り組むか

志村氏:沖縄県民は建白書に示された、オスプレイの配備撤回を強く求めています。日米両政府が合意した騒音防止協定を守らせるということが大切です。

 当面の課題としては、オスプレイを含めたすべての米軍機の飛行が制限されている深夜10時から早朝7時までの時間帯の飛行停止を要求します。進入および出発経路はできる限り、学校や病院を含む人口密集地を避けるよう、設定した日米合意を守らせること。これらは早急に取り組むべき課題であります。そのためには県と合同で実施している飛行場周辺の航空機騒音調査結果に基づく被害軽減の要請を米側に強力的に実施してまいります。

 その他、普天間飛行場返還アクションプログラムに位置づけられたボランティアを復活させ、基地監視カメラの設置などによって市民共同で被害実態を明らかにする活動を通じて日米両政府ならびに米軍側にその改善を要請し問題解決を図っていきます。とりわけオスプレイは事故率が高いといわれております。世界一危険な普天間基地への配備によって市民の暮らしは脅かされ、激しくなるばかりの爆音に苦しめられています。日米両政府に対して、即時飛行停止と配備撤回を強く要請してまいります。

佐喜真氏:先ほどの1問目とほぼ同じだと思いますけれども、基地負担推進会議というものが残念ながら開催されておりません。その目的は5年以内の運用停止なんです。5年以内の運用停止というのは、これは確実に生きている。2019年3月までに確実に運用停止を政府に求めてまいります。県が参加しないのであれば先ほど申し上げたように国に直接、宜野湾市長として市民の代表として、それを訴えていくし、2019年度までに確実にそれを履行できるよう強く求めてまいります。それはある意味闘いではございますから、全力を尽くして市民のために闘っていきたいと思います。

 その心というのは先般、私ども11月30日に市内の9団体、婦人会、老人会、青年連合会、PTA連合会、あるいは教育委員会、そして商工会含めて9団体での皆さんと一致した意見というのは固定化は絶対あってはならないと、1日も早い返還、騒音被害というのをゼロにしろ、解消してくれと。それを推進会議で私が求めていく。

 ―今後返還が見込まれるインダストリアル・コリドー地区南側の跡地利用についての考え方は

佐喜真氏:インダストリアル・コリドーですけれども、私どもとして、政府に対して一括返還も含めながら要請してまいりました。残念ながらインダストリアル・コリドー、いわゆる国道58号線沿いの返還までございますが、少なくともこれは地権者も含めて、地主会も含めて要請をしてございますから、政府に対しても日米両政府に対しても、1日も早い返還というものを取り付けてまいりたいと思います。

 その中でやはり25ヘクタールという面積は非常に大きな可能性を秘めてございます。私としてはやはり明るい宜野湾市の活性化につながる。あるいは観光資源につながっていくようなものとして、ディズニーリゾートというものをそこに誘致したいと。ホテルやエンターテインメント性のあるリゾートを駆使したディズニーリゾートがそこに来ることによって産業、雇用あるいは市内外、あるいは県内外から多くの観光客が来るということを考えた時、私はこのインダストリアルコリドーというものが、ディズニーのリゾート、ホテル機能、エンターテインメント機能が来ることは非常に有益だと理解してますので、それを誘致してまいりたい思います。

志村氏:インダストリアル・コリドー南地区についてはですね、昨年3月に返還された西普天間地区に隣接しておりまして、同住宅地区の開発に向けて58号線と連結する意味でも大変重要な土地と認識しております。

 私は嘉手納以南の米軍基地の返還跡地利用にあたってですね、危惧していることがあります。それは返還統合計画のほとんどが移設条件付きだということです。奪った土地は無条件で返還すべきものだと考えております。沖縄県民は戦後70年間も基地被害に苦しめられてきております。米軍基地は銃剣とブルトーザーで奪われたものです。これまで多くの県民が生まれ育った土地を離れて生活する現実があり、この歴史の事実を鑑みると県内の移設条件付きではなく、返還を求めていきたいと考えます。移設条件を付けると、普天間基地のように何十年も閉鎖返還されないことになります。

 私はインダストリアル・コリドー地区を含むキャンプ瑞慶覧についても、移設条件を付けずに早期に返還時期を示すべきだと思います。その立場で北谷町をはじめ、関係市町村とも連携をして、早期返還を求めてまいります。そうした上で、西普天間地区と国道58号を連結させる道路の整備は交通利便性の向上、安全性の確保、伊佐住民の避難の確保の意味でも着実に進めていく。インダストリアル・コリドー南側の開発については、全体地区を見据えて、北谷町とも綿密に連携して住民本位の整備計画を早期に策定していきたいと考えています。

 ―子育て支援の拡大について、財源は具体的にどう考えているか

志村氏:子育て支援の施策として3つのゼロの事業を私は提案しています。待機児童のゼロ、中学生までの医療費の完全無料化、そして学校給食の無料化です。

 私がこれらの施策を取り組む背景として、沖縄の子どもたちの貧困の問題があります。最近の調査では沖縄が全国最悪という調査結果がでています。貧困率37%、全国の2.7倍という驚くべき数字が出ています。これまでの振興計画は社会資本整備が中心になってきました。これは子どもたちに光があたらなかったということであります。このような事態を改善するという意味で、宜野湾市は子育てに優しく、健やかに育てる子育てナンバー1の宜野湾市を目指していきたいと考えております。だからこそ、この3つのゼロ事業は市としても何よりも優先的に取り組んでいく課題だと認識しております。

 そのためには財源確保が必要です。行財政改革を進めて市民のニーズに沿った効率的な行財政運営を行って無駄な支出を減らすということです。企業誘致や地場産業の育成を通して市税を中心とする自主財源の確保に努めることが大事であります。宜野湾市の財政は400億です。問題はそれをどのように振り分けるかです。一括交付金も14~15億円あります。これまでの一括交付金は土地の購入に使われておりました。市民のために予算を振り分けていくことが大事です。

 中学生までの医療費助成についても、私の試算では全て必要な財源は約1億円になります。また、給食費も現在の小学校までの半額の無料化は約1億4千万円のコストがかかってます。ですから、完全に無料にするにはあと1億4千万円が必要です。これらの額については不可能ではないと、私は理解しております。

佐喜真氏:まあ財源というのは大変重要な課題とでございます。平成27年度から予算で、決算ベースでいけば宜野湾市は95億6千万円程度でございました。今度の決算では105億を見込んでございます。4年間で9億5千万円近くの市税が増えたということで、それを活用するというのは当然でございますけれども、私どもとしては3年の間に統合事業という高率補助を確保できました。沖縄県で初めての導入でございます。

 さらに、いわゆる9条交付金ですが、それも特定防衛施設周辺整備事業、宜野湾市のルール分はだいたい7千万円なんですけれども、ことし3億円以上増やしてまいりました。この財源を基に給食費の無料化あるいは医療費にあててございます。ですから、この財源というのは市長が確保しなきゃできないということをまずご理解をしていただきたいと思いますし、この財源を活用しながら私は子育て環境というものをさらに充実していきたいと思いますから、いわゆる財源に関して言えば、国の予算をできるだけ引き出しながら市民に還元していくというのが私の手法でございます。

 ―今回の選挙の争点は何か

 佐喜真氏:端的に申し上げますと、今の流れをストップするのか、あるいはさらに推進していくのか。4年前の選挙は停滞する宜野湾市を変えてもらいたいということの中での市民のご判断でございました。今や宜野湾市は多くの企業が誘致され、1200名以上の新規雇用ができ、先ほど申し上げた9億5千万近くの市税も増えてまいりました。さまざまな事業がこれからどんどん前に進んで参ります。それを止めるのか、それとも前に進めるのか。そういう選挙だと私は理解してます。

 もう少し言えば、一期4年の佐喜真淳の事業と実績というものの評価も出てくると思います。さらにはディズニーリゾートや、あるいは基地周辺道路、あるいはまた総合福祉センター、西普天間住宅地区、門前町構想、県道34号線の国道化も含めて、これをストップしていいのかどうか。そのような選挙だと私は思っておりますし、市民本位な市民のための政治であろうし、市民のためにどなたを選ぶかということを今回の選挙の争点だと私は理解してございます。

 志村氏:宜野湾市民は戦後70年間も基地の重圧に悩まされてきました。今回の市長選挙は普天間基地の危険性の除去と1日も早い閉鎖返還をいかに実現していくかです。そして、最大の争点は県内移設を許すか許さないかです。このことに関しては、何度もマスコミ等で佐喜真さんと討論してきましたが、佐喜真さんは県内移設について賛成か反対か一度も言及していません。態度を明確にすべきです。私は県内移設には反対であります。

 もう一つの争点は市民が主役の新しい宜野湾市を作り出せるかが問われる選挙です。普天間の危険性の除去は緊急の課題です。固定化は強く反対して、一刻も早い危険性除去を強く政府に求めてまいります。市民が主役の新しい宜野湾市を作るために、学校施設の整備、市内商工業の振興、子育ての支援など、市民に密着した課題の解決に取り組むことが重要であります。西普天間開発においても、地権者や市民の意見を取り入れることが求められております。

 私は市民が主役の市政を実現し、西普天間でも市民本位のまちづくりを進めてまいります。市民のニーズに沿った、介護やリハビリなど高齢化社会に対応するものにしたいと思います。特に中学校までの医療費の完全無料化、深刻な宜野湾市の待機児童の解消、それから放置されている志真志、普天間小学校、普天間中学校の施設整備などの問題の解消を実現してまいりたいと思います。宜野湾市民本位のまちづくりで宜野湾市民と一緒のまちづくり、子育てでナンバー1のまちづくりを進めてまいります。