【北谷】外国人住宅が立ち並ぶ北谷町浜川に、「戦国武将」がいる。「手づくり甲冑(かっちゅう)工房いっき」の仲本台起(たいき)さん(56)。電気通信設備の会社を経営する傍ら、「戦国好き」が高じて制作するオリジナルの甲冑が人気だ。(中部報道部・下地由実子)

自作の甲冑を着た仲本さん。手にした火縄銃もお手製でクラッカーが飛び出す仕掛け=北谷町浜川

 仲本さんが、甲冑作りを始めたのは8年前。小学生だった息子に、かぶとを厚紙で作ってみると「思ったより出来栄えがいい」。それからはかぶとに加え、よろい、軍配や火縄銃の武具の制作とのめり込む。完成品を目にした人から依頼が来るようになり、1年後には工房を開いた。

 作り方は独学だ。本などで調べ、全国の城を渡り歩き、大河ドラマで使われる甲冑の工房を鹿児島に訪ねたことも。「どんなふうにしようと考えているときが一番楽しい。イメージができたら半分は完成したようなもの」と、仲本さん。

 制作期間は2~3カ月。甲冑の中心は厚さ1~1・5ミリのアルミ板で作る。型を電動のこぎりで切り、木づちでたたいて形を整え、ペンキで色づけ。各部をつなぐひもの結び作業や、よろいの上から着る陣羽織は、妻陽子さん(51)の担当だ。仲本さんたっての頼みで制作に参戦した。「『できないこと言うな』と最初は断っていたけど、始めてみたら没頭できていいですよ」と、すっかりはまっている。仲本さんがモデルの写真のいでたち一式で販売価格は35万円。

 評判は上々で、着付けや貸衣装も行う。新年会や小学校での撮影会など、イベントに呼ばれることも多い。客たちと武士団を組んで出演した結婚式では、火縄銃でクラッカーを鳴らし盛り上げた。多くの人が甲冑に触れられる機会をつくっているのは、仲本さんが「みんなに甲冑そのものをよく知ってほしい」と考えているからだ。

 仲本さんが思う魅力は武具としての潔さと、工芸品としての美しさだ。「命をやり合う戦場へ着ていく割には繊細なところがいい」という。現在は、最も好きな戦国武将・真田幸村の甲冑作りに夢中だ。