那覇市はひとり親家庭支援の一環として、市営住宅への入居優遇措置を2016年度から始める。すでに最優先の優遇措置を実施している多子世帯に追加した形で、「特定目的入居申込者」として、指定された九つの市営住宅に優先入居できる。だがいずれも末っ子が18歳になるまでの期限付きで、進学時期と重なるとして懸念の声も出ている。

那覇市役所

 これまで、市はひとり親家庭について「特定目的入居申込者」の次に優先される「優先申込者」として取り扱ってきた。例年、約2千件の申し込みに対し、入居できるのは100件弱と20倍以上の高倍率と狭き門。今回の措置で、指定された市営住宅に最優先で入居できる確率が高くなる。

 入居期限を設けた理由について市は「子育て期間中を応援し、自立を手助けする施策。同様にひとり親で頑張っている家庭に、つないでほしい」としている。

 那覇市母子寡婦福祉会は昨年11月、城間幹子市長に入居優遇措置を求める要請書を手渡した。平良君代会長は「ひとり親世帯で苦しい生活を強いられている家庭も多い。入居優遇はありがたい」と評価する。

 一方、しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄の秋吉晴子代表は18歳は進学の時期と重なるため心理的・経済的負担の増加などの悪影響が生じると懸念。「優先入居は多少の前進と言えるが、本当の意味での救済にはならない」と指摘する。

 背景には生活困窮者の入居希望に対する部屋数の不足などの現状があると言い、「市は民間住宅借り上げなど、貧困の連鎖を食い止めるための施策を進めてほしい」とした。