「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」(「方丈記」)。川の水は同じではないが、川という存在は揺るがない。川に由来する旁(つくり)を持つ「脈」の字には、血脈や人脈で使われるように「つながり」の意味がある

▼発足50年を迎えた沖縄芸能協会が「琉球芸能の命脈」をテーマに、21、24、25日と記念公演を開いている。沖縄を代表する重鎮から、伸び盛りの若手までが同じ舞台に立つ企画

▼故真境名由康さんを初代会長に、ジャンルの違う芸能団体が集まった会だ。歴代会長に戦後沖縄の音楽教育の草分けだった故渡久地政一さんがいるなど、琉球芸能の未来を広い視野から考え続けてきた

▼公演は王府時代の古典音楽や舞踊、組踊から戦後の創作までをそろえた。雰囲気は異なるが、琉球芸能の本質は不変なことが分かる。25日のタイムスホールでの最終日では古典を踏まえ、現代の息吹を盛り込んだ演目も並ぶ

▼現会長の勝連繁雄さんは「芸能家の命のつながりで、何百年も脈々と受け継がれてきた意義をとらえ直したい」と説く。若手も亡き先達と共に舞台を作っているとの思いがある

▼31日から会の実演家が育てる後継者の卵の「こども芸能祭」も控える。琉球の魂を宿し、脈打ち続ける芸能の「命」を後代に渡す。それは沖縄の芸能を愛し、関わる者全ての使命だ。(玉城淳)