沖縄県名護市辺野古の埋め立て承認取り消しの効力を止めた石井啓一国交相の決定をめぐり、翁長雄志知事の審査申し出を却下した国地方係争処理委員会(係争委)の決定を不服として、県は14日、福岡高裁に提訴する方向で最終調整に入った。国を相手に、国交相決定の取り消しを求める。15日にも翁長知事を含めた関係者で協議し、決定する。

名護市辺野古沿岸部

 国と県の訴訟は、国が県を訴えた代執行訴訟、県が国を訴えた抗告訴訟に続き、3件目になる。

 係争委は12月24日の第3回会合で、県の申し出を審査の対象外として、却下と判断。地方自治法では係争委の「審査の結果または勧告」に不服がある時、高裁に提訴できると規定するが、「却下は審査の結果に準ずる」とみて、提訴に踏み切る考えだ。

 県は、承認取り消しに対し、沖縄防衛局が国民の権利利益の救済を目的とする行政不服審査法に基づき、執行停止を申し立てたことを違法で、国交相がその資格を認め、決定したことなども違法と主張。係争委は防衛局の立場を国の固有の資格ではなく、一般私人と同様とする国交相の判断に疑問は残るが、「一見明白に不合理」とは言えないと理由を説明している。

 昨年12月に提起した抗告訴訟と訴えの趣旨は同じだが、県は「係争委は防衛局の申し立てや国交相の決定を適法と認めたわけではない。裁判所で白黒はっきりさせたい」と今回の提訴を意義づけるとみられる。

 埋め立て承認をめぐっては、行政以外の訴訟も3件起きている。

 基地建設に反対する県民が埋め立て承認の取り消しを求める訴訟、普天間飛行場の危険性除去を訴える宜野湾市民が翁長知事の承認取り消しの無効確認などを求める訴訟、新基地反対の名護市民が国交相の執行停止決定の取り消しを求める訴訟を起こしている。