琉球大学男子アイスホッケー部の躍進が目覚ましい。南国沖縄ではなじみの薄い競技だが、貪欲に戦術と力を磨き、昨季は九州リーグで初の1部昇格を果たした。今季は全日本大学選手権出場権を兼ねた1部リーグ戦で2位以内につけ、全日本初出場・初勝利を目指す。(粟国祥輔)

実戦形式の練習で激しく競い合う選手たち=南風原町のスポーツワールドサザンヒル

琉球大学アイスホッケー部のメンバー。女子も合同練習で汗を流す

実戦形式の練習で激しく競い合う選手たち=南風原町のスポーツワールドサザンヒル 琉球大学アイスホッケー部のメンバー。女子も合同練習で汗を流す

 活動拠点は、沖縄県内で唯一のリンクを備える南風原町のスポーツワールドサザンヒル。週2回の実戦練習のほかに、各自が大学のトレーニング施設で持久力や筋力アップに励む。

 アイスホッケーはGK含め6対6でプレーする。ゴム製の平円盤のパックを、スティックを使ってドリブルやパス交換しながら相手ゴールに迫る。「氷上の格闘技」と評されるほど激しいぶつかり合いがある。

 部員14人はほぼ全員が初心者だった。今でこそ自在にパックを運ぶが、当初は滑ることさえおぼつかなかった。大阪府出身で16代主将の小林大祐(4年)は「沖縄で北国の競技をやるとは思わなかった。氷上をよちよち歩きするところから始めた」と笑う。

 琉大は九州リーグで長年、2部以下に甘んじていた。2013年に3部転落。「サークル感が抜けなかった」(小林主将)というチームは、これを機に生まれ変わった。

 自分たちだけで考えていた練習を改めた。元実業団「古河電工」選手で国際コーチ資格を持つ中島仁実さんに依頼し、専門メニューを取り入れた。さらに国体沖縄成年男子総監督の三沢悟さんや県内在住の池田裕輝・元久留米大コーチに教えを請うた。小林主将は「チームの印象ががらりと変わった」と振り返る。

 1年後、順調に2部に昇格。1部入りを懸けた昨年11月のリーグ戦では、3勝同士で迎えたヤマ場の九州産業大戦で2-1と競り勝った。2部優勝で迎えた西南学院大との入れ替え戦は「相手は全敗、こちらは全勝。勢いで勝った」と3-0で圧倒、初めて1部の扉を開いた。

 チームにとって1部昇格は通過点だ。その先に大学選手権出場という大きな目標がある。新主将を任される兼次飛翔(3年)は「再出発した2年前からの目標を引き継ぐ。僕らだけの夢ではない」と気合十分だ。

 大学選手権では、全国高校総体メンバーらを擁する早稲田や明治、中央など関東の強豪を前に、九州勢はまだ1勝したことがない。兼次は「次は九州勢初の1勝」と躍進を誓う。