沖縄県立博物館・美術館が所蔵する県指定文化財などの陶器に初めて科学調査が行われている。東京文化財研究所(東文研)が12日から専用機器を使って、「赤絵枝梅竹文碗(あかええだうめたけもんわん)」(19世紀、壺屋)などの逸品に蛍光エックス線を当て、釉薬(ゆうやく)にどのような材料が使われていたのかを分析している。琉球絵画や漆器のエックス線調査はこれまで実施されていたが陶器は初めて。原材料を分析して琉球王府の技術を探り、沖縄戦で途絶えた技術を現代に蘇(よみがえ)らせたい考えだ。

「赤絵枝梅竹文碗」に蛍光エックス線を当て原材料を分析する東京文化財研究所・分析科学研究室の早川泰弘室長=14日午後、那覇市の県立博物館・美術館

 東文研・分析科学研究室の早川泰弘室長が一つの器に掛けられている赤や緑、青、黄、桃など異なる釉薬のそれぞれの箇所にエックス線を当てて、コンピューターの画面上に表示される銅や鉛などの元素名を書き留めていた。

 この日は、「色象嵌粟絵菊花皿(いろぞうがんあわえきっかざら)」(18世紀、湧田)などの陶器のほか、「聞得大君御殿雲龍黄金簪(きこえおおきみうどぅんうんりゅうおうごんかんざし)」などの金工品も分析。調査対象の所蔵品は20点以上に及ぶペースだという。調査は15日まで。

 県立博物館は本年度から5カ年計画で、沖縄戦で失われた琉球王国時代の工芸や絵画、彫刻の8分野の技術を研究し、50点以上の模造復元品を制作する事業を始めた。

 調査結果と、現在の生産で使われる原材料を比較して、制作方法を調べ、復元に生かす考えだ。