米軍普天間飛行場の移設問題で、全国知事会に出席した鳩山由紀夫首相は2010年5月27日、訓練移転の受け入れで協力を求めた。会場の都道府県会館は騒然としていた

 ▼周りの熱気とは裏腹に、全国の知事の対応は冷ややかで「全国に火の粉を分散するのか」という発言もあった。負担軽減に賛同しながら、「自分たちの所には持ってくるな」ということだった。腹立たしく、そして情けなかった

 ▼宮古島市で12年11月に開かれた九州市長会はオスプレイ配備撤回を求める決議案で意見が対立。鹿児島県の市長は「配備撤回の決議をすると、沖縄以外の県に持ってきてもいいことを意味する」と発言した

 ▼本紙が46都道府県の知事を対象にしたアンケートで、普天間飛行場問題の国と県との対立に多くの知事が「防衛は国の専管事項」などとコメントを避けた。国の専管事項を免罪符にし、沖縄に顔をそむけている

 ▼安倍晋三首相は12日の衆院予算委員会で、名護市辺野古で強行する新基地建設と選挙の関わりに、「安全保障に関わることは国全体で決めることだ。一地域の選挙で決定することではない」と答弁した

 ▼発言は民主主義や地方自治を踏みにじるものだ。他府県の多くの首長が沖縄の基地問題を傍観している現状が首相の発言が飛び出す土壌をつくり、肯定している。(与那原良彦)