私らしく、はたらく(12)吉戸三貴

 夏休みの宿題、皆さんは、(A)「すぐやる派」、(B)「ギリギリ派」のどちらでしたか? 私は(A)タイプ。真面目だったからというよりは、後で楽をしたいという気持ちが強かったと思います。宿題を早く終わらせようとするあまり、初日に絵日記を全部書こうとして、親に「こら!」と止められたこともあります。

 でも、すぐやる派でいられたのは学生の間だけ。社会人になると、一転して締め切りに追われるようになりました。ひとりでできる宿題と違って、仕事は誰かと連携して進める必要があり、コントロールがきかなくなったからです。常にやるべきことに追われ、忙しいから仕方がないと自分を納得させて、苦手な作業を後回しにすることもしばしばでした。

 それでも、最終的に間に合えばOKと考えていたのですが、あるとき事件が起こります。先輩に案内状の送付先リストの確認をお願いしたら、鋭い視線と言葉が飛んできたのです。「何これ。勘弁してよ! できないなら、どうして早く言わないの!」。前夜に慌てて作ったリストは、見当違いの宛先ばかりで使い物にならなかったのです。結局、先輩が一から作り直して事なきを得ましたが、チームに大きな迷惑をかけてしまいました。

 同じミスを繰り返さないために、私は「すぐやる派」に戻ることを決意。それからは、できるだけ前倒しで仕事をして、常に一定の余裕を保つようになりました。具体的には、書類作成の時間を計って1時間でできる作業量を把握したり、期日より前に仕上げてチェックの時間をとったりして、速度と精度を上げる努力をしたのです。トラブル対応などで一時的にゆとりがなくなる場合でも、早めに通常モードに戻ることを心がけています。

 集中力の高さなど「ギリギリ派」の良さも知っているつもりですが、私の場合は、早めに手をつけるスタイルが性に合っているようです。派閥(?)を転向して以来、仕事に追われる感覚がなくなりましたし、無理やり間に合わせる状況が減って体力的にも楽になりました。もし試してみたい方がいたら、小さなことから始めてみませんか。経費精算だけはためない、社内メールだけは翌日までに必ず返信するなど、まずは一つ、すぐにやる習慣を身につけるのです。自分に合った方法で仕事ができると、ストレスも軽くなると思います。(コミュニケーションスタイリスト)