生活保護世帯や困窮家庭の高校生の進学を支援する沖縄県の2015年度子育て総合支援モデル事業の無料塾で18日までに、生徒18人が大学や看護学校などの志望校に合格した。尚学院が事業を受託し、那覇市と沖縄市の2教室で高3生43人を支援している。受講生は「塾のおかげで合格できた。諦めなくてよかった」と喜び、取り組みの継続と広がりに期待した。(特別報道チーム・田嶋正雄)

前原高3年の(左から)米山彩伽さん、外間杏佳さん、仲村涼菜さん=沖縄市・沖縄尚学院

 無料塾は那覇市の那覇尚学院で30人、沖縄市の沖縄尚学院で13人を受け入れ、昨年6月から講座を始めた。14年度は那覇で21人を支援したが、15年度は対象者を増やし、中部地域でも教室を開設した。

 前原高校3年の仲村涼菜(すずな)さん(18)は琉球大学観光産業科学部産業経営学科に推薦入試で合格。「大学で経営とホスピタリティーを学び、将来は顧客と従業員の満足度が高い飲食店を起業したい。ドイツ留学も目指したい」と目を輝かせた。

 母子家庭の家計を助けるためファストフード店のアルバイトと受験勉強を両立させた。「予備校に通いたいが、親には言い出せなかった。無料塾と熱心に指導してくれた先生のおかげで合格できた」と振り返った。

 同校3年の外間杏佳(きょうか)さん(18)は那覇看護専門学校に推薦入試で合格。「小学生のころから食物アレルギーがある弟の面倒を見ているうちに看護を志した。災害時や緊急時に冷静に対応できる看護師になりたい」と抱負を語った。「塾で受験への意識が高まり、課題がはっきりしたことが合格につながった」と喜んだ。

 同校3年の米山彩伽(あやか)さん(18)は、ぐしかわ看護専門学校と北部看護学校に一般入試で合格。「幼いころから看護師の母に憧れていた。患者や家族のことを考えられる母のような看護師になりたい」と話した。「以前は周りの友達が塾や予備校に通うのを見て焦っていた。同じ目標の仲間と塾で一緒に学べたことがよかった」と感謝した。

 指導した沖縄尚学院の山城司講師は「進学する力はあっても経済的理由で諦める子が多いのが現状。学びたいのに学べない状況は生徒たちの責任ではない。ニーズに合わせ、支援の対象学年や地域を広げていく必要がある」と話した。