沖縄県与那国町の「日本最西端の碑」がある西崎を28日に初めて訪れた天皇、皇后両陛下。「ここが西の端ですか」と、感慨深げに何度も問い掛けたという。東京から約2千キロ離れた与那国の自然や文化に触れる両陛下の姿に、住民らは「こんな遠くまで来てくれるなんて感謝。お会いできるとは夢にも思わなかった」などと語った。

与那国町立久部良小学校で伝統芸能をご覧になった後、声を掛ける天皇、皇后両陛下=28日午後3時13分、与那国町(代表撮影)

 与那国漁業協同組合の施設で全長約2・7メートル、170キロの大物クロカジキを披露し説明した嵩西茂則組合長(55)は「興味深く聞いていただき、資源の減少も心配しているようだった。与那国のカジキを見ていただき大変光栄だ」と喜んだ。

 仲買人歴約60年の大朝ハツ子さん(83)は陛下に声を掛けられ感涙したといい「80年余り生きたかいがあった。言葉で言い表せないぐらい感動してずっと涙が止まらなかった」と話した。

 久部良小学校で披露された伝統芸能「棒踊り」では、与那国小3年の入慶田本朝豊君(9)、2年の朝誉君(8)兄弟と1年の前大舛晄大君(7)も出演し、笛や太鼓、ドラの音に合わせ気迫あふれる棒術を見せた。

 出演した祖納青年会の上原祐二郎会長は「島の伝統芸能を見ていただいてうれしいし、子どもたちもあの舞台でよくやってくれた。これを機会に継承に励んでほしい」と話した。

 西崎を案内した外間守吉町長は「西の果てに来たことに感銘を受けたようだった」と両陛下の様子を振り返り、「遠隔の地で交通や文化の面など本土と隔絶された歴史、島ちゃびがあった。両陛下にこの地を踏んでいただいたことで、そのわだかまりのようなものが消えたようだ」と感謝した。