拓南製鐵(那覇市、古波津昇社長)は29日、沖縄市海邦町にある新中城工場の敷地内に建設した「津波避難タワー」の竣工(しゅんこう)式と見学会を開いた。災害時に、同社員や近隣企業で働く従業員、地域の人が避難施設として活用できる。企業が自前で避難タワーを建設するのは沖縄県内で初めてとみられる。

災害時の避難場所として完成した拓南製鐵の「津波避難タワー」=29日、沖縄市海邦町・拓南製鐵新中城工場内

 約300人を収容できるタワーは高さ12メートルの構造物で、屋上避難階の海抜は15メートル。見学会には近隣自治体や企業など関係者が訪れ、タワーを上って高さを体感した。

 津波避難タワーは、拓南製鐵の取引先でもある日鐵住金建材(東京都)の商品で耐震性が高い「セーフガードタワー」。東日本大震災の際、仙台の工場が壊滅的な被害を受けたことから開発につながったという。全国で34件建設されており、県内では初めて。

 古波津社長は「速やかに退避できる環境づくり、工業団地のみなさまの安全を一緒に守っていかなくてはとの思いで建設した。沖縄市やうるま市と協力し、どのような最良の避難ができるかをつくり上げ、他地区の模範となるようにタワーを活用したい」と述べた。

 うるま市の島袋俊夫市長は「避難訓練など日ごろの意識の備えが大事。生命を守るのが行政に課された責任で、この地から一人も犠牲者を出さないという思いで地域の発展に貢献したい」とあいさつした。