放送界で何が起きているのか-。一般には容易にうかがい知れない内情だけに、いろいろ勘繰りたくなる人も多いに違いない。民報、NHKのニュース番組の著名なキャスターの降板が相次いで伝えられた

 ▼テレビ朝日「報道ステーション」の古舘伊知郎さん、TBS「NEWS23」の岸井成格さんは3月末に番組を降りる。NHKは「クローズアップ現代」の国谷裕子さんの降板も検討しているとされる

 ▼3人は、歯に衣(きぬ)着せぬ論評や、鋭い質問が持ち味である。「1強」といわれる安倍政権に批判的な姿勢を示してきたから、政権側や保守系論客からたびたび“攻撃”を受けてきた

 ▼そんな3人の降板が続くと、「権力から圧力があったのでは」「放送局が政権の意向を忖度(そんたく)した」、あるいは「自制して降ろした」などの風評が広がるのも無理からぬことである

 ▼中には視聴率が稼げないという、放送側の事情による判断と重なった降板もあるかもしれない。しかし、視聴者は放送界が萎縮しているのではとの印象を持つのは間違いないだろう。それだけ政権与党のメディアへの「圧力」ととれる動きが目立っていることの裏返しでもある

 ▼新しい「顔」でスタートする番組が何を伝え、伝えないのか。内容がことの真相の一端を明らかにするだろう。視聴者はしっかり見ている。(宮城栄作)